幸せな未来を子ども達に期待させてよいのか、懐疑的になる

一雨が去って、少し温かくなった気がします。いずれ暑くなる日も近いのでしょう。

さて、……

あなたは未来を明るいものだと捉え、幸せが待っていると心から思っておられるだろうか。

申し訳ないけれど私は「未来は明るい。幸せが待っている」とはとても言い切れない。特に日本国内の状況を見ると、そうならない確率がより高いと思っている。

例えば経済状況。10年程度の近未来ならば、まだ現状よりチョイ悪いくらいで何とか持ちこたえることは可能だと思う。でも、その先となると全く見通しが立たない。

こうなるから大丈夫、こうすれば解決できるという見込みが持てない。だから、経済の浮揚も期待が薄い。

加えて以前書いたように、今ある仕事はかなり減る。我々世代のように基本的に同様の仕事に従事し続けることも、今後は難しいだろう。何を仕事に選ぶのかも覚悟を迫られる。

日本人の創意工夫と我慢強さは尊いのだけど、それが完全に裏目に出たのが過去のデフレ対策だと思っている。バブルの頃に400円だった牛丼が280円に下がったのは象徴的だと感じている。

雇用の優先が賃上げ抑制の理由とされることがよくある。でも、正社員数が減って派遣社員やパートタイマーの割合が増えた点も見逃せない。賃金が増えなかった以上モノも売れず、企業業績も伸びず、賃金が増えないの悪循環が続いた。

海外ではどのようにリーマンショック等の危機を乗り越えたのかが分からないのだけど、日本は世界経済の進展からは明らかに置いて行かれている。

昭和天皇の玉音放送における「世界の進運に遅れざらんことを期すべし」に応えられていないのである。

このような状況下で子どもを産み育てることも、収入の面で厳しい。そして、生まれた子の側もどの道を目指すべきなのかの指標を持ち得なくなっている。

幸せの定義を仮に「夢を持ち日々充実感を得られる生活を営める状態」だとした場合、今の若い親候補世代の多くは恐らくそうなっていないのではないか。

自分が幸せだと感じてはいないのに子供たちは夢を持ち日々充実感を得られる未来が待っていると思い込める人は、かなり少ないはず。

この点を自己責任として切ってしまうと、少子化は益々加速する。購買層が減少するようでは、明るい未来は厳しい。

簡単には解決できないことは承知。でも、例えばリタイアした人達の中には、極めて優秀な人も多い。更にその中には金を稼ぐのではなく、純粋に社会還元したい人もいる。

そういう人達を世の中でうまく活用する仕組みを作り、知的生産力における人口減の影響を少なくすることも必要だと考える。

第二次ベビーブーム世代の出産適齢期にバブル崩壊やリーマン・ショックが重なり、今の少子化が決定してしまった。その時のような後手の対応を繰り返してはならない。

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