「伏線の回収」的な見方は、ビジネス文書作成でも必須
太陽と地球の距離は夏も冬も変わらないのだけど、夏の太陽の存在感は圧倒的に強いですね。沖縄の人が日陰を探して歩いて行くのを見て、なるほどと思ったのも遠い思い出。
さて、……
タイトルを見て「このオジさん、たまに(いつも?)変なことを言うなあ」と思われたかも知れない。でも、今回は正しい自信がある。
伏線の回収、最近は結構ネット上等で聞かれる言葉である。
一般的には小説やドラマの感想。ストーリーの中で何気なく描かれた描写の中に登場するものが、話が進行するに連れて大きな意味を持つとか、忘れていた頃にいきなり登場して種明かしの重要な構成要素になったりする場合、伏線が回収されたと言われる場合が多い。
逆に、思わせぶりに意味不明なものが登場したのに、それが最後まで再登場しない場合、伏線が回収されていないと評価される。
当然であるが後者は読者や視聴者の不興を買う。昨今のSNS全盛の時代では「結局アレは何だったの?」「何の意味もなかったじゃないか」と叩かれることになってしまう。
ちなみに「伏」線であるので、登場時にはメインのストーリーと余り関係なさそうに感じられる方が意外感もあって効果が高い。クライマックスのどんでん返しに繋がれば最高である。
逆に、登場時にメインのストーリーに関係あるように感じられるものは、基本的に伏線とは言わない。それは単なるストーリーの展開とみなされる。
実は、ビジネス文書でも基本は同じである。
「ビジネス文書に伏線なんて張らないでしょ?」というのはその通り。ただ、ビジネス文書でこの逆パターンに陥っているものが結構あるのだ。
企画書、上司に実力を認めさせたいとあれもこれも詰め込んで書いたような場合、登場させたものすべてにオチを付けさせることはとても難しくなる。最初の方に書いてあったアレ、結局その後一度も出てこないという文書ができあがったりする。
そうなると、読者(上司)の方はどう思うのか。
・ゴチャゴチャ書いてあって読みにくい。
・結局何がどうなるのかが分からない。
・アレは話の本スジに関係してこないようだし、何のために書いたのか。
こうなることは明らかで、とどめは
・この書きぶりでは自分が上の人(上司の上司)に説明できないぞ。
となる。
そして呼び出されてダメ出しを喰らう、という流れ。
意外にこのパターンが多い。
登場させるものは人物ではなくても、出した意味を考えて読み直すようにする。文書の流れに大きな影響を与えないものなら、思い切ってカットするのが吉。
あなたがネット記事を読み飛ばすように、昨今では人が少なく上司も時間が足りない。読んでスッと頭に入る方が好まれるのは当然である。
美文は要らない。シンプルイズベストである。
お読み頂き、ありがとうございました。
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