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#140文字
「逝かないよ 約束したから…」貴方は微笑む。悲しげな光をその瞳に宿して。約束…。そう。私が貴方に無理矢理させた約束。死しても、私の傍から離れないでと。貴方が優しいのを知っていて私が貴方を縛っている。私の呪縛から逃れられない優しい貴方。その瞳の光を知っていても私は貴方を縛り続ける。
僕たちの始まりは何処だった?寧ろ、始まってもいなかったのではないだろうか。気がつけば側にいて気がつけばいつも一緒だった。言うべきことも言わず。ただ一緒にいただけではなかったか?始まりもしていないのに、気がつけば、終りというものがきていた。僕たちに果して終りは存在して良いのだろうか
言葉に出来なかった想い。悲しいほどに空虚な空。そう見えてしまうのは僕の心が後悔してるから。あの時、何故、貴女に一言「愛してる」と言えなかったのだろう。もし、あの時。貴女に言えていたら。貴女は僕の元を去る事はなかったのではないだろうか。貴女を手離してしまった僕は何て愚かなんだろう。
「僕たちの恋は…。」
雨が僕を打ち付ける。今は、それでいい。涙を隠すにはちょうどいい。君からのメール。送られてきたのは「さようなら」。前日に会った時から何となく予感めいたものはあった。当たらなければいい。そう願ってた。でも、当たってしまった。訳もわからずに、僕たちの恋は君のたった一言で終わりをつげた。
「気にしないで」
貴方は私の事を好きじゃない。負い目を感じて傍にいるだけ。最初はそれでもいいと思った。大好きな貴方が傍にいてくれる喜びしかなかったから。でもね、もういいの。貴方を自由にしてあげる。貴方がいなくても私は生きていけるから。だから、もう、いらない。さようなら。私の事は気にしないで下さい。