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がん宣告を受けて。1クール目終了

悪夢のような1週間を終えた後は、
拍子抜けするほど穏やかな時間を過ごした。
下がっていた白血球の数値が戻っていくに従って全身が軋むような痛みはあったけど、耐えられないほどではなかった。無事1クールを終えて今に至る。


2回目の入院時、2クール目の治療内容を聞くと同時に、
1クール目の治療結果が想定よりも良くなかったことを聞かされた。
2クール目の治療結果次第では抗がん剤治療を止めて、
ドナーを探して骨髄移植が必要になる可能性もあるとのことだった。
そしてそれをした場合、20%〜30%の確率で命を落とす人もいるそうだ。


この治療は、すごろくみたいなものだと思っていた。
スタートから「寛解」というゴールまで、
辛いマスや楽なマス、一時退院というマス達を進み続けて最終的には幸せなゴールに辿り着ける、そんなすごろく。


でも当然だけど、馬鹿みたいに当たり前のことだけど、
そこには自分にとって最良のゴールだけがある訳じゃないんだね。
考えたくなかった最悪のマス目が頭にチラついて、
その日の夜は眠ることが怖かった。


そんな死の可能性を日常会話の様に伝えてくる医者を見て
あぁ、医者は患者と一緒に死んでくれる訳じゃなかったや、と当たり前のことを思った。
僕が死んでも貴方にはいつも通りお給料が振り込まれて、
貴方にはいつも通りの生活が待っているんですよね。


でも、それでも、励ましだったり勇気をもらえる言葉が欲しかった。
自分の勇気を他人任せにするのは逃げかもしれないけど、
そうだとしても、僕が僕の病状を把握できるのは貴方の言葉しかないから。
貴方の言葉を信じるしかないから、たとえ事実がそうだとしても、前向きに頑張ろうと勇気が出るような言葉が欲しかった。


明日から、2クール目の抗がん剤が始まる。
歯を食いしばって耐えて、絶対生きてやる。

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