彼と最後のデートをしたのは桜の季節だった。 桜が散り終わる頃、残り少ない桜を求めて名所を巡ったのを覚えている。 なんとなく彼との関係に終わりの気配を感じていたからか、散りゆく桜に自分たちを重ねて眺めていた。 そのデートの帰り、思いきって今後の付き合いについて切り出してみたら、案の定彼の顔が曇っていくのが見えた。 結局、それがきっかけで私たちは別れを選択することになった。 別れてからしばらくは毎日涙が止まらなかった。 関係が終わってから気付いた自分の本当の気持ちと、彼との
今年、４０歳になる。 「何歳までに何々をしたい」なんていう明確な人生設計もせずに、 なんとなく好きなことをして自由に生きていたら、まぁまぁ歳を重ねていた。 新年度になったのをきっかけに、何か新しいことをはじめようと思い、 エッセイを書きはじめることにした。 日記は三日坊主で続いたことがない。 文字を書くのも年々めんどくさくなっている。 何より文章を書くのが苦手で、言語化能力がとても低い。 それでも、エッセイを書いてみたいとぼんやり思った。 続くかわからないけれど、その
