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023. ランチ酒

先日『ランチ酒 (原田ひ香)』という小説を読んだ。原田ひ香さんの小説は『ギリギリ』に続き2冊目だ。『ランチ酒』は、夜22時〜朝5時まで"見守り屋"というただ人を見守る(たまに見守る以外もあるのだが)ことを生業としているアラサーでバツイチの犬森祥子が、仕事終わりにその日の依頼主との出会いを振り返りながら、ランチ酒を嗜む日々を綴った小説だ。多種多様な依頼主との出会いに加え、離れて暮らす元夫や娘とのすれ違い、未来への不安など、決して幸せに満ち溢れているとは言えない生活。それでも祥子は色々な街で美味しいランチとランチ酒を嗜みながら前に進んでいく。そんな祥子の日常を覗きながら、私の頭にはある曲の歌詞が浮かんだ。「なんか食おうぜ そんで行こうぜ これほど容易く日は昇る」(HAPPY/BUMP OF CHICKEN) ランチ酒はまさにそんなメッセージが伝わってくる小説だった。ランチを食べる、お酒を飲むという行為を通して「生きる」ことが描かれていた。


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