[かもめ大学 vol.2]小中一貫校&ユースセンター

小中一貫校
[前段]小中一貫校について
・750名の生徒、14の少人数クラス、36の普通クラス、100人の教師・スタッフ
 ・フリーで教室を行き来して特別支援の先生をサポートする"クリニック"の先生も中にはいる
・直近の課題
 ・メンタル的な問題を抱える生徒は増えている
  ・学校の授業は理解できているのに鬱になってしまう生徒など
 ・読書しない生徒が増えている
  ・IT化が邪魔をしている
  ・家庭教育はやはり大事で、家庭の中での価値観が変わっている
   ・自分で見て考えて書くことの重要性の認識が薄れている
   ・がっかりする体験を子供にさせない(親が先に問題を摘み取ってしまう)
   ・コンフォートゾーンを抜ける体験をいかに子供にさせるかが大事
 ・これらの課題に対して、変化のサインに気づいて問題に着手できるか、が肝
・その他の特徴
 ・先生の会議に生徒が参加しても良い
 ・生徒に対してアンケートを取り、楽しさ・居心地が担保されてるか確認する
①フィンランドの小学校・中学校・高校について
・小学校は1年〜6年まで、中学校は7年〜9年まで
・小学校まではクラス別に授業をするが、中学からは教科別に教室が分かれ生徒が移動する
 ・中学からはスケジュールを自己管理が必要

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・高校からは、日本の大学のようにクラスもスケジュールもなし
・高校2年生で成人し、それ以降は学校から保護者への連絡がなくなる(銀行口座も成績表も生徒の許可なしに見られなくなる)
・外国から学校視察訪問があった場合、生徒が学校を案内する
・学校運営に生徒が主体的に参加する取り組みの一貫で、生徒会などをやっている生徒から無作為に当日指名されて外国のお客さんに対して自分たちの学校を説明する。

③小中一貫校の授業
・ベーシックな教室の様子は、日本と同じように、机を並べて前を向いて行う形式

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・言語
 ・英語は1年生から、スウェーデン語は6年生から学習する(必修)
 ・他言語は任意で授業を取ることができる。
・ホームエコノミクス
 ・保険、調理、政治経済、テーブルマナーなど生きていくために必要な知識を実習込みで学ぶ授業
 ・7年生からあり、7年生は必修、8年生以上は任意だが、実用的なので人気のクラス
・アート
 ・7年生まで必修、8年生から任意 
・木工の授業などもあるので、その授業を通して家具職人になろうと思う生徒も多い

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④特別支援
・生活に支障がある生徒だけでなく移民など言語・文化で障壁がある生徒も対象
・1クラス10名程度、全部で14~15クラスあり、3~9年生の異学年学級
・重度の生徒に対しては、専用の部屋があり、1人につき1人の先生
・普通の教室とほぼ変わらないが、ハンモックでバランス感覚を身につけられたり、手の感覚を身につける道具が多く置いてあったりする

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⑤授業外の活動について
・生徒会
 ・小中学生が入っている
 ・学校の生徒全員が生徒会のメンバーだが、リードメンバーは小学生は挙手制、中学生は毎年の選挙で選ばれる
 ・役割は、学校が楽しくなるにはどうすればいいか考えること
  (ビリヤードボードを追いたりした)
 ・予算を作り、コーヒータイムはディスコで資金を自分たちで集めて活動する

・サポートスチューデント制度
 ・友達を見つけたり、生徒が孤独にならないようにサポートするのが目的
 ・中1からクラスがなくなるので生徒が一人になりやすいのでそのフォロー
 ・ディスコなどでイベントをする(ミニ体育会など)
 ・8年生以上が基本的なメンバーで、研修をしてどうやってサポートするかを考えたりもする
・国際交流クラブ
 ・スカイプとかで世界中の子どもたちをつながる
 ・外国のお客さんの対応など
 ・アンティミーレといって、交流の結果をアートで表現することもある

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・揉め事仲裁係(ベルソ)
 ・先生から仲裁依頼が来ると、生徒で構成されたベルソが動き出す
 ・いじめや喧嘩になりそうな前兆がある時に依頼が来る(緊急度の高いものは先生が解決することが多い)
 ・原則は、問いかけによって問題を解決に導くこと。先生ではなく生徒が解決する方針
 ・法律や事例を学ぶ研修もある

ユースセンター
①ユースセンターについて
・学校が終わる15時以降と土日に開き、放課後・休日の子供のサポートを行い、生徒が抱える問題が顕在化する前に解決するのが目的
・11〜18歳の難しい年ごろの学生が対象、誰でも無償で使用可能
・週1程度、地域の学校に趣き、対話して近況を聞いたり、先生とは異なる立場での支援を行う
 ・学習意欲のない子に対しては、学習意欲を引き出す対話を行う(学習支援はしない)
 ・うまくいってない学級のチーム作りの支援も行う
・学校から、授業の見学でユースセンターに訪れることもある
・ゲーム、運動、宿題など、何をするかは子供によって様々

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・対話の際には、心理的安全はかなり意識する。赤い糸を紡ぐイメージ。
・長期休暇のときは、ユースセンターの運営メンバーが企画して、ショッピングモールでゲーム大会+薬物・性教育のイベントを行ったりする

#フィンランド #教育 #小中一貫 #ユースセンター #特別支援

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