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社会学と出会ってしまった2020年

怒涛の2020年。社会が変わるとき、人と直接会うことを制限されるなかでどんな本を読み、どんなことを考えていたのかまとめる! と思ったけど書いてたら社会学めっちゃおもろいやん! って話になったので、タイトルこうしました。

①社会学に出会う 岸政彦『断片的なものの社会学』

一昨年、たまたま図書室で見かけた岸政彦先生の著作『断片的なものの社会学』を読み直した。「これ、ヤバすぎる」。稲妻の一撃…じゃないけど、世の中にはこんな言葉をつづってくれる大人がいることに、自分の中にずっとあったなにかを言葉にしてもらったことに、そして社会学のなかに「人の話を聞く」という調査方法があることに、全部に驚いた。1番はこの岸政彦先生ってひと、ヤバい。スゴすぎる(語彙力😅) 。そしてこういう本に出会いたかった、とも。

3月は突然の休校に見舞われたけど、岸先生の著作が面白すぎてあんまり不安にさいなまれなかった気がする。

『はじめての沖縄』⇒『ビニール傘』⇒『図書室』⇒『愛と欲望の雑談』(共著)⇒『街の人生』⇒『質的社会調査の方法』(共)⇒『マンゴーと手榴弾』⇒『社会学はどこから来てどこへ行くのか』(共)⇒『同化と他者化』の順で読んだ。

よく『断片』の次に読むべき本は?って聞かれるけど、難しい。小説なら『ビニール傘』が好きだし、『質的社会調査の方法』は名前は少しお堅いけど、岸先生の「生活史」の話すごい面白いし。なんでもいいと思う(笑)

②岸先生の研究仲間

そして、著作のなかで登場される研究仲間(と同僚)の 打越正行先生、上間陽子先生(教育学者)、小川さやか先生(人類学者)の本もほぼ全部、面白く読んだ(ここまでで夏休み終わる)

人の話を聞くことや、あるフィールドで暮らすひとの一部に自分が溶け込んで「記述する」ことの面白さを知った。そこから、この私たちが放り込まれている「社会」とはどういうものなのかを知ることができるってすごい。もちろん「社会問題」と言われることも多くあるし、これらの本を読むなかで私自身に突きつけられたことも多くある。

我ながらすごいスピードで「おもしろい」って思うことを深堀できた1年だったかもしれない。11月には高校の図書館講演と題して岸政彦先生をお招きした。テーマはひとの話を聞くことについて、社会とはなにか?、他者理解は可能なのか? などなど。先生のユーモラスな雑談も交えながら2時間半あっという間だった。夢みたいな時間だったなあ。先生からはやっぱりものすごく大切な言葉、視点、切り口をいただいた。大学に行く前に先生のお話を聞けて、モチベーションがあがりまくってる! 

③他の社会学の本

あとは岸先生じゃない社会学者の本でおもしろかったのは、ここらへん

社会学者ではなくとも社会問題を扱ったルポルタージュもいくつか面白いのがあったけど、書きすぎるのでここらへんでやめとこ・・・

参考にさせてもらいました!⇒ 有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:社会学編

社会学は、自分たちの身の回りの問題を扱っているし、自分たちの人生とは切り離せない、そしてそれを少しでも良い方向へ議論を促せる学問だと思う。その意味で切実な、役に立つ、面白い学問。調査方法も、対象もいろいろだから「社会学」が指すものは多いけれど、社会学(的なものの見方)を知らなかった前の自分にはもう戻れない。だからこれはわたしが今年ハマった沼だと思う。

まだまだ知りたいことがたくさんあるし、幸い2021年〜25年は大学に通えそうなのでもっとたくさん勉強できる(はず!)

④東京の生活史

それで、漠然と私も人の話をちゃんと聞きたいし、人の話を聞いてなにかを描くことは私にもできるかもしれないと思っていた。もちろん簡単なことでは全くないし、上に書いた先生たちのことはめっちゃ尊敬してるけど...

そんななかすごいタイミングで始まったのは「東京の生活史」という岸先生と筑摩書房の企画。これを見つけたとき、久しぶりに頭の上からつま先まで震えるくらいに「やりたい!」と思った。夏前だったので進路決まってなかったけど。

2020年7月、
岸政彦さん監修によるプロジェクト『東京の生活史』をはじめます。

これは、東京にいるひと/いたひとの人生についての大きなインタビュー集をつくるという企画で、2021年の刊行をめざしています。

運よく聞き手に選んでもらい、岸先生から直接「生活史的態度」を伝授していただいた。いまは自分の聞いたお話のゲラを校正してるところ。

2021年、一番たのしみなのはこの本の刊行かな!!

自分勝手な文章になっちゃったけど、読んでくれてありがとうございました

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