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肩の脱臼と骨折、自力で救急車を呼んで、、、

夜勤中に、留守電が5回も入っている。

また、いつもの「子犬がたくさんいるから、助けに来て〜」かな?と思って無視していた。

朝方4時位に今度は、看護師をしている妹からLINEが入る。

「お母さんが腕を骨折したらしくて、救急車で運ばれてる」と。

夜中の着信が1:30頃。

妹からの連絡が4:00頃。

その間、何やっていたんだろう?一人痛くてのたうちまわっていたのだろうか?

当時、79歳になっていた母は、持病のパーキンソン病と付き合いながら、1人で生活をしていた。

私も妹も、同じ市内に住んでいたが、同居できるほど、まだ体制が整っていなかった。

私は翌朝、1週間程度の入院グッズを持って病院へ向かっていた。

すると、母の黄色いガラケーから着信が入る。

あ、携帯電話は持って出たんだ。

母「パジャマで来ちゃったから、洋服を持ってきて。お母さん、今日退院する」

私「え?退院?先生がそう言ったの?家に帰っても誰もいないよ。1人で生活しないかんよ。できる?」

母「できない。けど、ここの病院感じ悪いもん」

確かに、到着した病院は、今にもお化けが出そうな、薄暗くてへんなにおいのする建物だった。

妙に怖い。

そして、ドクターから説明があった。

彼は、すでに80歳を超えていそうな白髪頭のおじいさんだった。

パソコンでレントゲン写真を見せてくれるのだが、手がプルプルと震えている。

大丈夫なんだろうか?

先生の説明によると、転んだ時に肩の関節が脱臼して、そのままグギッといってしまい、骨折もした。
脱臼ははめることができたが、骨折に関しては、手術ではどうにもできないので、自然にくっつくのを待つしかない。

しばらく入院していただきます。

私は、このお化け屋敷のような病院で大丈夫だろうか?あの、高齢の手の震える先生で、本当に大丈夫なのだろうか?

とても心配になったが、家に連れて帰る勇気もなく、しばらくここでお世話になることにした。

この年からコロナが蔓延し始めていて、母に会うことも叶わず、着替えだけ預けて家に帰った。


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