莉子

96’ 本、食、旅、暮らし、美しいものが好き

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最近の記事

2024.11.2 日記

11月2日(土) 22時 お風呂上がり、ユウとソファに並んで『新美の巨人たち』を観ながら、 「やっぱりNHKオンデマンドに入ろうかな。オンデマンドだと、『新美の巨人たち』も過去作から全部観られるんだよ」 と言うと、 「うーんそれはどうかな。これテレ東だから」 と言われて愕然とする。 私はそういう細かいこと(番組がどの局のものなのかとか。...... 細かくはないのか)をよくすっ飛ばしてしまう。ちなみにこのあいだは、 「東海道新幹線に乗って、東北に行こう」 と意気揚々と言っ

    • あの時を振り返る/ パニック発作から得た気づき

      秋の風が心地良い。 あれから、もう一年が過ぎた。 昨年10月、久しぶりに出社した職場で、パニック発作を起こした。年明けに耳が聴こえ辛くなり、「突発性難聴」と診断されてからずっと体調が優れず、在宅勤務を続けていたのだが、会社の産業医と面談するも「なぜ出社できないのか」と責められ、頑張って電車に乗って向かった先での出来事だった。何が何だか分からずに、呼吸が苦しくなり、「無理だ、死にそう」と遠のく意識のなかで思っているうちに救急隊員に運ばれて点滴を打たれ、気づいたら救急病院のベッ

      • 苦しい関係は手放していい

        どうにも苦しい気持ちが抜けないので、ここで消化することをどうかお許しください。 先日とある友人に久しぶりに会ったのですが、やはり会うべきではなかったと確信したのです。その友人とは中学生からの関係で、当時から一緒にいるだけで疲れてしまい、気を遣って接してしまうような、そんな相手でした。会っている間は大丈夫でも、別れた後に心にモヤモヤ残ってしまう。次の日に熱を出してしまうこともある。優しい面もある反面、気が強くて、自分の思い通りにしたい面があり、私はそのエネルギーの強さにいつも

        • 村上春樹 『スプートニクの恋人』を読んで

          村上春樹さんの長編小説『スプートニクの恋人』を読み終えた。 あちらの世界とこちらの世界の境界線がわからなくなり、目の前の世界が歪んで足元がすくみそうになる。本を閉じたはずなのに、私の意識はまだ小説のなかに取り残されている。 冒頭は主人公である22歳の女性すみれが「突き進む竜巻のような激しい恋」に落ちた瞬間の描写から始まり、その表現は私の心をかっさらっていった。一瞬でこの物語にのめり込むには十分すぎるほどの印象的な書き出しだった。 この本の世界にいつまでも浸っていたい、と思

        2024.11.2 日記

          パフェのように生きたい

          一歩ずつ進んでいくしかない。 良いことも悪いことも過ぎ去っていく。 いつだって目の前にあるのはこの瞬間しかないのだということを忘れずにいたい。 そう頭では分かっていても自分の過去の決断を反芻したり、未来に足がすくみそうになる日々。焦る気持ちを抱いてはすべての自信をなくしそうになったり、かと思えば自分の手の中にあるものが愛しくてたまらなくなり幸福感に包まれたり。揺れる気持ちを抱きながら、これも人生、セラヴィ(C'est la vie)、なんてぼんやりと思う。 パフェのように

          パフェのように生きたい

          ものをよく見るということ

          祖母は書道をたしなむ人で、私は昔から祖母の家に行くたびに「せっかくだからなにか書いたらどう?」と言われ、心ゆくままに、自由に半紙に筆をすべらせていた。時におおきく大胆に、時にこまかく繊細に。 ここ最近はその機会もなかなかなく、しばらく書道から離れてしまっていたのだか、毎週楽しみに観ている大河ドラマ『光る君へ』で紫式部(を演じている吉高由里子さん)がさらさらと筆を走らせる美しい描写を観るたびに書きたい欲が募っていった。そして今日、ついに念願叶い祖母宅にて書道をすることができた

          ものをよく見るということ

          不安になる夜に

          わたしはよく不安になる。 大抵の人がそうであるように、それはほとんどが夜の時間で、よし寝ようと決めて布団のなかに身体をすっぽり隠してから現れる。 なにをどう不安に思うかというと、それはほとんどが将来のこと。わたしはこのままで大丈夫かな。お金が足りなくならないかな。仕事はこの先どうしたらいいのかな──。太陽の出ている明るい昼間には思わないあれこれが一気に押し寄せてきて、わたしを不安で包み込む。 幸い、隣に恋人が寝ているので、彼が完全に眠りについてしまう前に話しかけてみる。「

          不安になる夜に

          2024.06.10 日記

          歯医者へ行った。4ヶ月に1度の定期検診だからだ。4ヶ月前にスマホのカレンダーアプリに入力していたものの、4ヶ月も経てば人は予定などスッポリと忘れるものなので、なんと当日の診察2時間前に何気なくカレンダーアプリを開いて気がついた。危なかった……。2時間前という絶妙な時間に運良く気づいたので、忘れていたことを誰にも悟られず堂々と向かった。なぜふとカレンダーを確認しようと思ったのかは謎だけど、あの時アプリを開いた自分の指に感謝する。 定期検診はいつも通りに歯科助手の方から「なにか

          2024.06.10 日記

          隣の素敵なご婦人

          家の隣に、いつも沢山のお花が嬉しそうに咲いているお宅がある。通るたびにふと立ち止まり、その花々を眺めるのが習慣になった。 いつものように帰りがけにお花を見ようと近づくと、品の良いご婦人が出ていらしたので挨拶をしたところ、にこっと微笑まれてから 「いつも素敵でいらっしゃるのね。」 と声をかけてくださった。 それがもう、嬉しくて嬉しくて、 「ありがとうございます。いつもお花が素敵だなと思いながら、見させてもらっています。」 としどろもどろに応えることしかできなかった。

          隣の素敵なご婦人

          天気のいい日はどこかへ出かけたくなる

          朝起きて、とても天気がよかったので今日はどこかへ外出しようと決めた。どこかは分からなかったが、どこかへ行こう、とだけ決めて満足した。 ベッドでしばらくごろごろして、ごろごろに飽きたので起き上がり、朝ごはんにコーヒーとクッキーを食べた。クッキーは美味しかったのでおかわりした。小さかったのでね。 朝ごはんを片付けて、ソファで読みかけの益田ミリさんのコミック『泣き虫チエ子さん 愛情編』を読んでじーんと感動し、しばらく余韻に浸った。こんなに言葉少なに、シンプルな描写で、心の奥にま

          天気のいい日はどこかへ出かけたくなる