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絵本:どうしてがいっぱい(はる文/ りこ絵)


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この本を作ろうと思ったきっかけ

「この絵本を作ったきっかけ」よりも、「私とはるちゃん 序章」という見出しの方が正しいかもしれません。

はるちゃんとは、私が参加した「田舎フリーランス養成講座」(通称:いなフリ)の金谷32期で、料理人と受講生という関係で出会いました。

その後、私の猛アタックの末、仲良しになりました。

共通点といえば、私は福井県出身、はるちゃんは福井県で開催されたいなフリに参加していたということくらい。

身長なんてデコとボコですが、初めてはるちゃんを見たとき、何か直感的に感じるものがありました。笑 

それからはるちゃんと仲良くなりたくて、普通より少し多めに話しかけてみたりしたのですが、疑い深いはるちゃんなのでなかなか手強かったです。

今思い返すと、この頃の私はただ直感だけではるちゃんと仲良くなりたかっただけな気がします。

でも、はるちゃんの料理を食べたり、はるちゃんの選ぶ「ことば」を見たりしていく中で感じる人柄を、もっとたくさんの人に知ってほしいと思いました。

これは、はるちゃんと出会ってちょうど1ヶ月が経とうとしている日のツイートですね。

このツイートにはるちゃんが、「一緒になにかしたいね!」とリプをくれました。

(実はここからも、はるちゃんの心に飛び込むまでは少し時間を要しました。)

そして"やろうやろう詐欺"を免れ、絵本制作に取り掛かる運びとなりました。

(キャリアアップ期間中に絵本制作を応援してくださったナナシロさん、本当にありがとうございました…。)

私とはるちゃん 次章 

はるちゃんに惹かれたのは、自分に似たものを感じたからだったと思います。

私とはるちゃんは、好みや理想・幸せを感じる瞬間・考えたいポイントが似ています。

だから、はるちゃんの表情とか話し方とか、ツイートのことば選びからさえも、こだわりとか喜びとか葛藤を想像して、勝手に共感してしまいます。

はるちゃん得でしかない文章が永遠に続いてしまいそうなので、一旦この辺でやめますが、何が言いたかったかというと、

全く違う人生を歩んできたのに、ここまで共感し合えるはるちゃんと一緒に、私たちなりのメッセージを伝えられる絵本を作りたいと思いました。

この本に込めた私のこだわり

はるちゃんが文章でメッセージを伝えてくれているので、私も絵でメッセージを届けることを意識して描きました。

中盤から、文章と絵が合っていないというか、「なんでこんな絵?」と思う人も多いと思います。

これは、はるちゃんが問いかけてくれる「どうして」に対する答えを私なりに考えて、絵に表現しています。

ここから、私の挿絵の意図や想いを解説するので、答え合わせをしたい方は目を通してみてください。

絵の解説

最初の3枚は、シンプルに文章を絵にしているだけなので割愛します。笑

「どうしてかぜはふくのかな」
風が吹くのには難しい科学的な理由もありますが、とりあえず、風が吹くおかげで綿毛は飛んでいくことができます。

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「どうしてあめはふるのかな」
これ、はるちゃんは何の絵か分からなかったみたいなんですけど、水溜りです。笑 水溜りに、雨上がりの空がうつっています。

私は雨が苦手ですが、雨上がりは山の緑もとっても綺麗に見えるし、考えてみると嬉しい気持ちになることも多いかもしれません。

より大きな喜びを感じるために、憂鬱な時間があるんですね。

「どうしてあついなつがくるのに
    さむいさむいふゆがくるのかな」

同じ場所なのに、夏と冬ではこんなにも違う風景を楽しめる。

それだけでも変わりゆく季節に意味を感じられます。

「どうしてえがおになるのかな
 どうしてなみだがでるのかな」

この絵は、私がはるちゃんの誕生日にプレゼントした花束です。笑 

プレゼントって、嬉しくて笑顔になるときもあれば、嬉しくて涙が出てしまう時もありますよね。

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嬉しいから笑顔になるときも、悲しさを隠して笑顔を作るときも、悲しくて涙を流す時も、嬉しくて涙を流す時もある。

今の笑顔に至るまで、たくさんの涙を流しているかもしれない。

笑顔と涙は、対のようで実は近しいという意味を、プレゼントの花束で表現しました。

「どうしてこどもはすぐにないてしまうのに
 おとなはがまんしてしまうのかな」
わたしが涙を我慢するようになったのはいつ頃だろうと振り返りました。

中学生の頃に悔しい思いをして、みんなの前では明るく振る舞いつつも、放課後に校舎の影で泣くのを堪えた記憶を思い出しました。

みなさんが泣くのを堪えるようになったのはいつ頃ですか?

「どうしてけんかをするのかな
 どうしておこってしまうのかな」
自分以外は全員他人で、みんな生まれも育ちも好みも違うのだから、喧嘩をしたり怒ったりするのは当たり前ですよね。

ただ、色が違っても大きさが違っても、どれも美味しいトマトだということは忘れたくありません。

「どうしてぼくのすむまちではたたかいがおきないのに
 ほかのくにではたたかいがおきているのかな」

オランダのアムステルダムで写真に収めた街並みを描きました。

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この文を読んだ時、「ほんとにぼくのすむまちでは戦いが起きていないのかな」と疑いました。

僕の知らないところで、もしかすると近所の友達のおうちでも、実は"たたかい"が起こっているかもしれない。

知らないところで、たたかいに耐えているひとは、きっもたくさんいるんだろうなと思います。

ほぼ同じ住所にあるであろうこのカラフルな横並びのおうちの中でも、きっと色々な"たたかい"があるでしょう。

アムステルダムでアンネの家を訪れ、その後にポーランドでアウシュビッツを訪れたのも、この風景が思い浮かんだ理由かもしれません。

「どうしてわるいひとっているのかな
 どうしていいひととわるいひとがいるのかな」

これが1番難しかったです。

私の絵をみて、自分に"わるい"を当てはめてしまう人はいないだろうかと心配になりました。

「わるい」と「いい」という言葉を使うのは、とても難しい。

ただ、このページで私が伝えたかったのは、見えたものや聞こえたもの、置かれた環境や他人から与えられたものなど、自分に意思がなくても影響を受けることがたくさんあるということ。

だから、あなたは自分を責めすぎてはいけないし、この社会に少しでも多くの喜びが溢れて欲しいということ。

「どうしてうわさはしんじるのに
 ほんとうをしろうとしないのかな」

山積みの段ボールの1番下を開封するのがとても面倒なように、ほんとうを知るのはとてもめんどうなのです。

「ぼくのまわりにはどうしてがいっぱい
 みんなのまわりにはどんなどうしてがある?」

どうしてを知るのは、1番下の段ボールを開けるようにとっても面倒。

でも、だからこそ、とっても大切な事だと思うんです。

これは金谷の海に行って、みんなで夕暮れ空を絵に描いた日の空。

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どうして空と海は青いのかと問う1ページ目にたいして、夕焼けに染まる空と海で絵本を終えました。

この本がどうなって欲しいか

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私とはるちゃんはこの絵本が、たくさんのご縁の中で、偶然や必然が繰り返されながら、行き着いた人に目を通してもらい、はるとりこがどんな人なのかを知って欲しいと思っています。

たくさん難しい宣伝も考えたけど、結局は私達らしい考え方に落ち着きました。

だからこれはある意味、はるとりこによる、はるとりこのための絵本になった気がしています。

そんな、自己中な絵本を読もうと思ってくださった方、このnoteまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

そしてこれからも、よろしくお願いします。

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