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子どもや若い人へのモデルナ製新型コロナワクチン接種停止について

10月6日、デンマーク政府は1991年生まれ以降の若い年代に対するモデルナ製新型コロナワクチンの使用を中止すると発表しました。若年層で稀に発症する心筋炎・心膜炎を懸念し、特に、12歳から18歳の子どもたちについては今後、ファイザー製ワクチンのみを使用するとのことでした。

北欧諸国のデータを解析した未発表の結果に基づく判断で、すでにEMA(欧州当局)には解析を提出しており、EMAの評価も今月中には出るそうです。一方、ニュースを受け株価を下げたモデルナ社は、「ワクチンによって引き起こされる心筋炎・心膜炎はとても稀かつ軽症で、治療により回復する」と強調しています。

ところが、10月8日、デンマーク当局は、先の発表はワクチンの安全性に関する誤解を招く悪手のコミュニケーションだった、18歳以下であっても引き続きモデルナ製ワクチンを接種できるとして、先の発表を撤回しました。一方、デンマークと同じ頃に若い年代へのモデルナ製の使用停止を発表したスウェーデンは、決定を覆さず「30歳以下にはモデルナ製を使わない」旨を改めて強調しています

日本では、子どもの新型コロナワクチン接種は承認後、推奨するとも推奨しないとも言わないまま、接種が進められてきました。

ところが、15日、厚労省は、若い男性のモデルナ製2回目の接種後には、心筋炎のリスクが高いとして注意喚起することを決定し、同時に、1回目にモデルナ製を接種した人が2回目にファイザー製を選ぶことも認める発表しました。一部の専門家が慎重な姿勢を示していた交差接種が日本でも認められたこと自体は歓迎しますが、「だったら打つ前に教えてくれればよかったのに」などといった困惑の声も広がっているようです。

どんな物事にもゼロリスクはありません。日本では、ワクチンに関する情報が、個人情報やデータ不十分を理由に不完全な状態でしか開示されないことがよくありますが、ネガティブなものも含めオンタイムで透明性をもって情報提供していくことが、最終的にはワクチンへの信頼と接種率の向上に寄与するのではないでしょうか。

子どもの接種の判断はなぜこんなに差があるのか

欧州当局(EMA)や米国当局(FDA)は、現在のところ12歳以上のすべての子どもたちに新型コロナワクチンの接種を推奨しています。

ところが、イギリスのワクチン諮問委員会は北欧諸国以上に大胆に、健康な子供にはすべての新型コロナワクチンの接種を推奨しないとしています。

子どもたちの新型コロナの重症化リスクは極めて低く、ワクチンの医学的ベネフィットがすべての年代の健康な子どもたちで心筋炎の副反応リスクを上回るとは判断できないという理由からです。

子どもの新型コロナワクチン接種は、なぜこんなにも判断が割れているのでしょうか。判断を揺るがす最大の要因は

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