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文系女医の書いて、思うこと【スタンダード】

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2020年6月の記事一覧

武漢ウイルス研究所(WIV)のうわさ

台湾はWHOに公電で原因不明肺炎の「ヒトーヒト感染」の可能性を警告していたという話とほぼ同時に出てきたのが、4月14日に米ワシントンポスト紙がスクープした、2018年に在北京アメリカ大使館がホワイトハウスに送っていたという別の公電のニュースだった。 2018年1月から3月にかけて、アメリカ大使館は、環境科学・技術・医療の担当官を数回にわたって「武漢ウイルス研究所(WIV)」に派遣して、WIV内のラボでは杜撰な管理状況の下、コウモリから採取したコロナウイルスの実験が行われてい

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パンデミック・ポテンシャル

2003年から2004年のSARS流行時、産経新聞の中国特派員として活躍した福島香織氏は『世界は習近平を許さない』で、習近平政権では、鄧小平政権以来の伝統であった共産党の集団指導体制は失われ、現場の状況把握がおろそかになっているため、武漢の原因不明肺炎について中央政府に情報が上ったのは遅く、12月27日になってのことだったと分析している。 つまり、パンデミック対応の初動が遅れた原因は習近平体制の中国にあり、中国政府は新型コロナの発生について「把握から4日後」の2019年大晦

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武漢肺炎「第0号」患者

公式には2019年12月1日に発生したとされている新型コロナ肺炎第1号患者。しかし、それよりも前から患者は発生していたと見られており、今も武漢肺炎「第0号患者」探しは続いています。 WHO抜きでパンデミックは終わるのか 【目次】 ●テドロス氏とWHO改革 https://note.com/rikomuranaka/n/n05dd73ac27ba ●アメリカCDCとは何者なのか https://note.com/rikomuranaka/n/n184158d3ded9 ●WH

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5月25日、トランプ大統領演説「中国とWHOへの対応」

ホワイトハウス・ローズガーデン、5月25日15時

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6月17日のWHOブリーフィング「中国のアフリカ支援と現在のアメリカとの協働関係に関するテドロス氏のコメント」

〇WHOは今もアメリカと仕事をしているのか?

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WHOの「噂の監視」システムを使って新型コロナ発生の噂を検証した結果

昨日、6月12日に北京の市場で発生したという新型コロナのクラスターについて、北京市幹部は「非常に厳しい」と述べ、20万人を検査することが発表されました。これまで中国についての情報と言えば、中国当局の発表をもとにしたものばかりでした。メディアの報道もそうです。しかし、流行をキャッチする方法は他にはないのでしょうか。当局発表に先行して流行を把握するためにWHOが行っている作業に「噂の監視」があります。前回記事「AIを駆使した噂の監視」ではこの噂の監視の概要を紹介しましたが、今回は

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子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨停止から今日で7年

2013年に子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨が停止してから(定期接種ワクチンの通知をやめること)今日で7年が経ちました。 この問題について取り上げている新聞はないようです。 日本では、子宮頸がんワクチンはけいれんや慢性の痛みなどを引き起こす危ないワクチンであるとの誤解が広がりその声を受けた政府は積極的接種勧奨を停止。軒並み8割はあった接種率は1%に落ちたまま現在に至ります。 痙攣や痛みなどの症状とワクチン薬剤との因果関係は、日本でも、世界のどこでも証明されていません。

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人工知能(AI)を駆使した「噂の監視」

WHOは新しい感染症の発生に関する「噂の監視」を行っています。AIを駆使して行われるその監視システムによって拾い上げられる噂の数は月7000件。誰がこの監視に参加し、どのように行われているのか。資金はどこから出ているのか。国防問題としての感染症対策の基本となる「噂の監視」についてルポ。 ①テドロス氏とWHO改革 ②アメリカCDCとは何者なのか ③WHOが中国に許した26日間のリード ④WHO、進藤奈邦子さんの思い出 ⑤AIを駆使した「噂の監視」

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PCR陽性だった友人家族の抗体検査の結果

「PCRに感染した友人家族がPCR検査を受けるまで」の続きです。 4月に入ったある日、キャサリン一家は抗体検査を受けることになりました。PCR検査を実施した医師から電話があり、小児の新型コロナに関する調査をしているので家族全員で検査を受けて欲しいというのです。 結果はどうだったと思いますか? 「なかったのよ!せっかく10日も自己隔離までして、抗体はできてるって思ってたのに」 抗体検査の結果を伝える電話をくれたのは、主治医が話していた「子どもと家族クラスター」の研究を行

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新型コロナに感染した友人家族がPCR検査を受けるまで

新型コロナに感染して回復した友人に改めて取材して、書きました。友人の家族は、SARSの発見者でもある、ベルリン・シャリテ病院のクリスティアン・ドロステン氏率いる研究チームの調査対象にもなっていることがわかりました。 今年3月中旬、ドイツがロックダウンになった直後のこと。ベルリンでコピーライターをしているキャサリンの10歳の娘に、咳の症状が続いていました。 症状は咳だけ。

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進藤奈邦子さんの思い出

「WHO抜きでパンデミックは終わるのか」 ①テドロス氏とWHO改革 ②アメリカCDCとは何者なのか ③WHOが中国に許した26日間のリード の続きですが、この記事だけでもお読みいただけるよう書いています。 2020年2月末、「アンダーコントロール」を豪語していたアメリカでは、新型コロナ対策として緊急承認した迅速キットの精度に不備があったことが判明した。急きょPCR検査に切り替えて感染者の追跡をはじめたが、ウイルスはすでに蔓延していた。

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WHOが中国に許した26日間のリード

「WHO抜きでパンデミックは終わるのか」 ①テドロス事務局長とWHO改革 ②アメリカCDCとは何者なのか の続きです。 手薄になっていた中国での諜報活動 トランプ政権での度重なる感染症関連予算の削減に加え、2014年にオバマ政権下で起きた西アフリカでのエボラ出血熱流行時についた緊急予算が底をついた2019年9月、つまり新型コロナウイルスが出現する直前までに、CDCは海外での活動拠点を49か国から10か国にまで削減していた。 拠点を引き上げた国には中国も含まれており、ロイ

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6月4日のWHOブリーフィング「AP通信に情報提供したのは誰か?」

いつもなら1時間以上は行われている週3回のWHOの定例記者会見ですが、今日は正味30分で終わりました。6月3日に発表された独自入手した内部文書をもとに書いたという「WHOは中国の情報提供の遅さにいら立っていた」と題されたAP通信の長文記事に関し、3つ異なる国際メディアからコメントを求められましたが、3回とも回答を避けました。AP通信に情報を提供したのは誰でしょうか。WHOでの経験をもとに個人的な意見を述べます。

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6月1日のWHOブリーフィング「拠出金停止を表明した米国へのコメント」

テドロス氏のオープニングスピーチは、コンゴの北西部でエボラ出血熱のアウトブレイクが起きていること、コロナだけが脅威ではないこと、薬剤耐性、タバコの問題など。オープニングスピーチの最後で先週金曜日(5月29日)に発表されたアメリカのWHO脱退声明についてコメントした。

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