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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

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#子ども

子どもから、安全に「感染を許容」していくという議論

昨年9月、ワクチン接種率72%に達したデンマークは「新型コロナはもう脅威ではない」として、マスク、ワクチン接種証明の提示など、それまで行っていた新型コロナに関する行動制限を全廃することを発表しました。 集団免疫成立ラインと言われていた70%接種率を達成してからは、感染をある程度許容し、ワクチンを打たない人は重症化や死亡のリスクが高いが自己責任で、ワクチン接種者や若い人などリスクの低い残りの人は、感染とワクチンで随時免疫を更新していくというアプローチに切り替えたのです。

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子どものインフルエンザと新型コロナ、ワクチン副反応、一番こわいのはどれ?

副反応が怖い?欧州では子どもにはインフルエンザワクチンを打たないのが普通 欧州では、子どものインフルエンザワクチン接種が一般的ではありません。 保育所や学校で集団生活を送る子や受験を控えた子が、インフルエンザワクチンをすることが一般的な日本からすると驚きますが、わたしの暮らしているドイツでも、インフルエンザワクチンを接種したことがあるという健康な子どもは珍しく、病気がある人や医療従事者でもない限り、生まれてから65歳になるまでインフルエンザワクチンを1回も接種しないのが普通

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結局どうする?日本も5歳から11歳へ新型コロナワクチン推奨へ

厚生労働省は8日、5~11歳の接種に予防接種法上の「努力義務」を課すことを決定したとの報道がありました。 12歳以上の子どもにはこれまでも努力義務が課せられていましたが、小さな年齢の子どもの新型コロナの重症化リスクは低く、ごく稀に起きる心筋炎などのワクチン副反応のリスクのデータは揃っていないため評価が難しいとして努力義務は見送られていました。 今回推奨に踏み切った理由について厚労省は、5歳から11歳に対するワクチンの効果と安全性に関するデータが集まったからとしています。厚

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ウクライナの子たちが学校にやってきた

記事の更新が遅くなってごめんなさい。パンデミック開始以降、緊急事態宣言もまん坊もない初めてのGW、いかがお過ごしでしたでしょうか。 ハンブルクでは3月末までに300を超える受け入れ学級が設けられ、1000人の子どもが、4月末までに1000を超える受け入れ学級が設けられ、4000人の子どもが学校に通い始めました。当面の間、週4日、30時間はウクライナ語での授業が予定されています。そのため、ウクライナから避難してきた先生やウクライナ語のできるドイツ人教師たちも避難民の子どもたち

私たちはまた子どもを利用した反ワクチンを始めてしまうのか

わたしの端末がカスタマイズされているのでしょうか。最近、「新型コロナワクチンの接種後に子どもの体調がおかしい」とか「子どもにワクチンを接種するな」といった記事をよくに見るようになりました。 これらの記事に共通していることがあります。 「毎日違う症状が出る」「学校に行かれなくなった」「接種から何週間もしてから“全身性“の症状が出た」「検査しても異常はなかった」「医師から精神的であると“心ない“ことを言われた」など

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「要らなくても打つ」という選択ー英、新型コロナワクチンを健康な5歳から11歳子どもにも推奨へ

私はこれまで、子どもには新型コロナワクチンは「要らない」という考えでいました。特にオミクロン株ではワクチンが感染を予防する効果はとても低く、重症化を防ぐことしかできません。子どもの新型コロナ重症化のリスクはもともと低いので、重症化を予防するためにワクチンを接種してもあまり意味がないと考えていたからです。 「要らないから打たない」以外の選択もあるところが、わたしの周囲でも子どもや子どもがいる家庭の感染が相次ぐなか、「要らないから打たない」ではなく「要らなくても打つ」という選択

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ウイーンの学校前で連日配られている反ワクチンビラのファクトチェック

子どもへの接種については国によって判断や対応が割れている新型コロナワクチン。オーストリアでは、早くから全学校の全生徒徒と全教職員に定期的に抗原検査を実施するなど、子どもたちをコロナから守るための対策がかなり積極的に行われてきました。ワクチンも日本と同様12歳以上に接種が認められており、集団免疫の獲得を目指してこの年代の子どもへの接種も進められています。 ところが、首都ウイーンの学校では先週、反ワクチン団体が連日学校の前に立って反ワクチンビラを配り、「子どもの権利」を守るため

無駄な休校をなくすために理解する「抗原検査」の基本コンセプト

日本では学校で新型コロナの感染者が出れば大騒ぎです。1人でも感染者が出れば濃厚接触者の特定が終わるまで「とりあえず休校」という取り決めにしているところも多く、たとえば、9月初めの大阪では、全小中高の約5分の1が臨時休校になっている状態でした。 保健所が忙しすぎて濃厚接触者の特定が終わるまで1週間といったこともあり、隔離の必要のない子どもまでもが長々と学校生活を奪われる状況が続いていました。 子どもの感染者が増えているのは日本だけではありません。どの国も重症化リスクの高い大

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ワクチンと同時に進めるべき「子どもたちの感染を許容する」議論

北欧の国々では、国民が生まれてから亡くなるまでのすべての医療データを国が把握しています。受診歴や罹患歴、ワクチン接種歴はもちろんのこと、ドラッグストアでの風邪薬の購入履歴にいたるまで国民の医療に関する全ての履歴がデータベースとして管理されおり、そうした医療データベースを販売することがひとつの国家事業であり国家収入ともなっています。 そんな国の1つノルウェーから、子どもの新型コロナ感染に関するリスクの評価が発表されました。子どものコロナ感染は急性期(かかった直後)の症状が極め

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「ワクチンの重篤な副反応リスクがコロナの入院リスクを大幅に上回る」年齢・性別・接種回数の12歳以上の子どもたち

【9月10日】イギリスの12歳以上の子には「推奨しない」と発表する前に、アメリカCDCが「推奨する」ことを強調した最新のデータについて追記しました。 9月3日、英ワクチン諮問委員会(JCVI)は「12歳以上の子どもには新型コロナワクチンの接種を推奨しない」と発表しました。日本のように「推奨を控えている国」はあったものの「推奨しない」と言い切った国はイギリスが初めてではないでしょうか。 英ジョンソン首相はそれでも子どもたちの接種を始めると宣言。国民やメディアからも「重症化率

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イギリス、12歳以上の子どもへの新型コロナワクチン接種を「推奨せず」

9月3日、イギリスのワクチン接種委員会が開かれ、12歳から15歳の健康な子どもへの新型コロワクチンの接種をひき続き「推奨しない」と決定しました。イギリスでも、デルタ株が蔓延するなか新学期が始まり、一刻も早く子どもへの接種を推奨すべきだという声が上がっていました。前日までのメディアは、どこも「間違いなく推奨するだろう」というトーンでした。 一方、一足先に新学期を迎え、同じくデルタ株の流行拡大のはじまったドイツのワクチン委員会(STIKO)は8月16日、承認から3か月近く保留し

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差し控えから一転、独12歳以上の子どもの新型コロナワクチン接種推奨へ

【2021年8月20日:アメリカの副反応報告データベース(VAERS)に基づく12歳から17歳の重篤な副反応および死亡14例について簡単な解説を追記しました】 日本では、12歳以上の子どもへの新型コロナワクチンの接種は承認されているものの推奨されているわけではありません。わたしの暮らすドイツでも接種の承認は5月でしたが、推奨は差し控えられていました。(詳しくは前回記事、「揺れる、12歳以上の子どもの新型コロナワクチン接種」をご覧下さい) ところが8月16日、独ワクチン委員

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揺れる、12歳以上の子どもの新型コロナワクチン接種

子どもの新型コロナワクチン接種について、最近たくさんの質問をもらいます。「子ども」と言っても新型コロナワクチンを接種できる中高生のお子さんをもつ方から、接種の承認されていない小学生以下のお子さんをもつ方まで心配や疑問はさまざまです。 8月10日現在、アメリカCDCは、ワクチン接種のベネフィットは心筋炎や心膜炎など副反応のリスクを上回るとして12歳以上の子どもにも米ファイザー・独バイオンテック製新型コロナワクチンの接種を承認・推奨しています。欧州当局(EMA)も、同ワクチンの

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子どもが新型コロナを媒介する「ミツバチ」となるとき

日本では、子どもは新型コロナに「かかりづらく、広げにくい」というのがパンデミック開始当初から現在に至るまでの基本的な考え方です。しかし、再拡大の始まった2020年11月以降、世界ではそういった当初の評価を覆すデータが各国から続々と出ています。「子ども」を全年齢同じに扱うことが、誤りであることを示すデータも多数出ています。学校や保育所をまた全国一斉閉鎖にしないためにも、拡大を続ける市中感染から子どもたちを守るためにも、ぜひ読んでいただきたい記事です。

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