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12月1日、民俗学者、酒井卯作氏が98歳で逝去した。酒井氏の生まれは、英国のエリザベス女王より1年早い1925年。女王は去年亡くなったので、女王より1年早く生まれて、1年遅く亡くなったことになる。そう聞くだけでもすごいが、女王が教科書に残る歴史をつくった人なら、酒井氏は放っておけばただ消えていくだけの庶民の歴史を独自の世界観と洒脱な文章で書きとめた人だ。 東大農学部を卒業後、農務官僚でスター民俗学者だった柳田國男のフィールド旅行のかばん持ちとして日本各地を旅行。横浜からマル
日本でクリスマスの木と言えば、モミのツリーやヒイラギのリースだろう。ドイツでも11月の終わりころから、花屋ではアドベントクランツやツリーのためのモミや松の枝が山積みになる。 モミはいいとして、松と聞くと急にお正月めく。実のところ、ドイツのクリスマスツリーはお正月の門松のようなもので、家庭では12月24日になるまでクリスマスツリーを立てない。 今年はクリスマスの飾りに、モミでも松でもなく「ヤドリギ」を買った。さみしい冬景色の中、常緑樹と共に唯一の緑として残るヤドリギは、この
「ショートスリーパー」「ロングスリーパー」という言葉があるように、その人が必要とする睡眠時間の長さには、個人差があります。また、必要な睡眠の長さは年を取るにつれ、短くなってくることも知られています。睡眠時間の長さには季節変動があることも知られています。 では、「今のあなた」にとって、本当に必要な睡眠時間とはいったい何時間なのでしょうか? 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史教授に、自宅でできる測定の方法を教えてもらいました。 前3回はこちらから 専門家は「夏
新型コロナウイルスの「後遺症」の予防に、ワクチンは有効なのでしょうか。 ワクチンの後遺症予防効果を見た国内外の論文は1000本以上あります。しかし、接種したワクチンは、種類も違えばスケジュールも異なります。感染したウイルスの型も違えば、感染のタイミングや回数、重症度も受けた治療も違います。システマティックレビュー(複数の論文のデータを比較検討したもの)もいくつかありますが、バイアスや交絡(因果の判断を邪魔するもの)を取り去ることはほぼ不可能です。そのため、世界の専門家の間で
いわゆる武漢株と呼ばれる、最初の新型コロナウイルスに対応したワクチンで基礎接種受けた人では、変異株に合わせたワクチンをいくら接種しなおしても、追加のブースター効果がごくわずかしか得られないことが問題になっています。 この話については、6月6日付のnote「高齢でも健康なら新型コロナワクチンの追加接種を秋まで控えた方がいい理由」でお伝えしました。 追加のブースター効果は、武漢株から遺伝学的に遠い変異株ほど少ない、つまり、BA.1、BA.5、XBB、と直近の変異株になればなる