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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執筆の舞台裏エピソードや医療関係者向けの特… もっと読む
内容の詰まった記事を更新していきます。「文系女医の書いて、思うこと。【スタンダード】」とだいたい同… もっと詳しく
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2023年5月の記事一覧

新型コロナワクチン「本当はもう打たなくていい人」は誰なのか

今年2月、日本では2023年度は、引き続き新型ころなワクチンは接種できる年齢のすべての人に推奨され、年2回、無料で接種できることが決まりました。 ドイツでも当面は誰もが無料で接種できるものの、ワクチン諮問委員会のSTIKOは5月25日、接種・追加接種の対象者を大幅に縮小する新しい推奨を公表しました。こうした動きは、現場の医師からも「接種を勧めなくてもいい人がはっきりした」などとして、高い評価を受けています。 ワクチンの効果は、年齢を問わず時間とともに低下していきます。しか

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新刊『新しい自由論』刊行のお知らせ

この度、文藝春秋社より新刊を上梓しました。 『新しい自由論』という本です。 ”パンデミックを終わりにするための”という副題がついていますが、ウイルスやワクチンの解説本ではありません。 各国のパンデミック対策、なかでも対策を徹底させるプロセスや方法を見ることを通じ、パンデミックによって問われた民主主義や自由の価値、意義といったものについて考える本です。 対策を取ることを通じ、また対策を取ったにも関わらず、パンデミックで失われたものはたくさんあります。命や健康、お金や仕事、

バルト海に琥珀を拾う

ポーランドの北の街グダンスクに琥珀に行ってきました。海岸で琥珀を拾うためです。 と言っても、宝飾品にするような大粒の琥珀ではなく、1センチ以下、せいぜい7,8ミリのビーズのような琥珀です。 集めてどうするという訳でもないのですが、海岸で琥珀を探すなんて、ロマンチックと思いませんか――? アンバーロード(琥珀の道) バルト海の周辺では古くから琥珀が採れ、貨幣の代わりに用いられていました。ポーランドのグダニスクから、カリーニングラード(ポーランドとリトアニアの間にあるロシア

英BBCのジャニーズ番組を改めて見て愕然としたこと

先日、日英ダイワ基金が主催するオンラインイベントに参加した。 故ジャニー喜多川氏が行っていたとされる未成年者への性加害を告発する英BBCのドキュメンタリー「Predator(捕食者)」を上映し、番組を制作したジャーナリストの話を聞くという企画だ。 とても力強い作品だった。 性加害認める文春の勝訴を報じたのは一社だけだった

ハイブリッドなのにまたコロナ?

約3年ぶりの刊行となる著書が校了するあたりから、体調のすっきりとしない日々が続いていました。 新しい本のことは改めて書きますが、こちら『新しい自由論』という本です。下のリンクから予約もできますので、ぜひ覗いてみて下さい。 熱なし、咳なし、コロナ陰性さて、わたしの体調ですが、熱はありません。咳もありません。 薬局で買ってきた、コロナの抗原検査の結果も陰性です。 それなのに、気温は20度だというのにセーターを重ね着しても寒気が収まらず、運動をしたわけでもないのに歩くと太もも

子どもがワクチンや輸血を受ける権利とそれを受け「させない」親の権利のこと

日本に一時帰国中だった3月8日、わたしの暮らすドイツ・ハンブルクにある新興宗教「エホバの証人」の施設で銃撃事件が起きたことについては以下のnoteでもお伝えしました。 エホバの証人は輸血を拒否する信仰で知られ、輸血拒否カードを持っています。患者には「治療の自己決定権」がありますが、医師には「患者の救命のために全力を尽くさなければならない」という義務があります。 そのため、救命に輸血が必要な場合、医師は非常に困ったことになります。 日本でもドイツでも裁判所は、原則、医師の

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