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患者の目を見ないお医者様

世の中には色々な人がいる、と感じます。

心は笑っていても無表情な人。時場所問わず感情が抑えられない人。

私は上記の2パターンが苦手なのですが、あくまで私の好みの話であって。各々事情はありますし、私だって他人のことをとやかく言えるほど立派な人間ではありません。

人と話すことが苦手な人もいるでしょう。目が見て話すことが苦手な人もいるでしょう。

でも、お医者様には患者の目を見て、向き合って欲しい。そう願ってしまいます。


2016年冬、母が癌であると検査結果が出ました。

母にとっては2度目の癌でした。初めては乳癌で13年前の2003年頃。

癌に完治はない、と言われますが、10年以上再発がなければ寛解と言われています。ですが、100%再発転移の可能性はありません。それが癌の恐ろしさだと思います。

母はお医者様に聞きました。

「この癌は再発したものなのか?転移などは大丈夫か?」

お医者様はカタカタとパソコンの画面に身体を向けたまま応えました。

「10年以上経っているから再発ではない。初期のものだろうし大丈夫。」

薬出しておきます、と続けたお医者様と母の視線が交わることは一度もありませんでした。お医者様の態度に不安を抱いた母は、別の病院でセカンドオピニオンを受け、そこでこの癌は13年前のものの再発転移であり、既に骨まで侵されているステージ4の末期がんと診断を受けました。

ファーストオピニオンからセカンドオピニオンが出るまで、2か月程かかったと記憶しています。仮定の話でしかありませんが、その間にちゃんと治療をしていれば、もしかしたら母はまだ私の隣にいてくれたかもしれない。

お医者様は毎日多くの命と向き合う、大変な仕事だと思います。

ですが、あなた方にとっては多くの命の一つでも、我々家族にとっては唯一の大切な命でした。

医師になった弟には、患者さんの目を見て、向き合う医師になって欲しいと切に願います。


スミコ先生(仮名)、お前は許せねえ。

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