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シュラスコレストラン ALEGRIA@池袋 遠藤淳さん(平13経)

2021年4月、それまで経営してきたレストランに加え、新たに業態の違う店の運営に乗り出した遠藤淳さん(平13経)。池袋東口にあるそのシュラスコレストラン「ALEGRIA」で、攻めの姿勢で挑んでいるレストラン経営と大学時代のことについて伺いました。


―海外への一人旅が苦境に立ち向かうベースを作ってくれた学生時代― 


 高校まではサッカー一途、将来はJリーガーを目指していたという遠藤淳さん。しかし残念ながら自分にそこまでの実力はないと悟り、その後は勉強にシフトチェンジ。一浪の末に立教大学経済学部に入学した。
 学生時代はサッカー部に所属するかたわら、長期の休みには一人で海外を旅していたという遠藤さん。上海、ソウル、アルゼンチン、チリ、トルコなどアジアや南米への旅が多かったが、なかでも一番の思い出は卒業旅行で訪れたアルゼンチンだそう。
「イグアスの滝に行きたくて、それだけは現地のツアーに参加しました。夕方イグアスに着いて街を歩いていたら、地元のコンビニみたいなところにサッカーのユニホームを着た若者が5~6人集まっていたので、第二外国語で習っただけの片言のスペイン語で話しかけて一緒にお酒を飲み、最終的には誰かの家に連れて行かれて、親戚や近所の人が20人くらい集まってきました。そのとき聞かれたのは「日本人はどのくらい稼ぐのか」など、お金に関することばかりでしたけどね(笑)」
 言葉もろくに通じない中で現地の人々との交流を求めた旅は苦労も多かったが、「苦境に立ち向かっていくベースは学生時代の旅の経験が作ってくれたのではないか」と話す。

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大学時代の一人旅の思い出を楽しそうに語ってくださった

―コロナ禍にあっても、攻めの姿勢で新たな業態に進出―


 遠藤さんは在学中、飲食店でのアルバイトを経験しその大変さを実感していたので、「飲食店の経営だけはやりたくない」と思っていたという。
 だが新卒で就職した大手食品メーカーで営業の仕事をするうちに、「将来は自分で何かやりたい」という気持ちが芽生え、「他の業種に比べて新規参入しやすいこともあり、独立するなら飲食店かな(笑)」と方針転換。5年半勤めた会社を辞め、2014年、門前仲町に居酒屋をオープン。その後何度かの変遷を経て、現在は西荻窪の洋食ビストロ「ハイカラ」に加え、2021年4月から、池袋のシュラスコレストラン「ALEGRIA」の運営も始めた。
「ALEGRIAは飲食店の修行時代の同僚がフランチャイズ展開している店です。コロナ禍の厳しい状況が続く中、守ってばかりでは生き残れない。4人の社員の生活もかかっているので、何とか前に進んでいかなければと思っていたときに、その元同僚から店をやらないかと誘われたんです」と遠藤さん。

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店内の様子

 シュラスコは串に刺した牛、豚、鶏などの肉を炭火で焼くブラジル由来の肉料理。大きな串に刺して焼かれた肉の塊をそのまま客席に運び、テーブルでカットしてサーブする独自のスタイルが知られている。若者の酒離れが進む中で、「次にシフトするなら食事中心の業態だな」と考えていた遠藤さんは、その点で、シュラスコレストランは将来性があると判断し、この話を受けることにしたという。
「開店前に1カ月の研修を受けたんですが、専用マシーンで肉を焼くのもそれをカットするのも初めての経験で、慣れるまでは大変でした。でも、引き継いだ店はそれまでいたスタッフが全員辞めてゼロからのスタートだったので、かえってスタッフの結束力が高まり、いい雰囲気がつくれていると思います」と楽しそうに話す。
 イチボ、ランプなどお店イチ押しの牛赤身肉から焼き野菜、女性に人気の焼きパイナップルまで15~20種類のシュラスコの食べ放題メニューが中心。20~30代のカップルがお客さんの半数を占めているそうで、「他ではなかなか味わえない変化球的なところがウケているのではないか」と遠藤さん。

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お店の方がお肉を切り分け、お客様がトングで受け取る

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焼いたパイナップルは甘みが増してジューシーに

―性格の異なる2つの店でバランスをとりながら将来のビジョンを構想―


「おかげさまで開店以来順調で、利益率は西荻窪のレストランよりも高いんです。この店が利益をしっかり出してくれるから、西荻窪の店でやりたいことができる。その意味では2店舗でうまくバランスがとれていると思います」
 その西荻窪の洋食ビストロ「ハイカラ」は、「昔の洋食屋をモダンにアレンジしたようなお店」だそう。肉や野菜などの素材にこだわり、ときには産地に直接出向いて農作業を手伝うなどの交流にも力を入れ、その様子はお店のウェブサイトで発信している。
「最近は色鮮やかな野菜が増えていて、盛り付けに使うと見た目がとても華やかになるんです。『そういう野菜が欲しいんだけど』と生産者さんに直接伝えることで、先方も料理人のニーズを知ることができて、『じゃあ、やりましょう!』と言ってくださる。まずは自分の店で彼らの生産物を使うことで、少しでも助けになれば、そして将来は生産者さんと手を組んで、地域を盛り上げていきたいと思っています」と、遠藤さんはインタビューの最後を力強い言葉で締めくくってくださいました。

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学生との3ショット
左から:遠藤淳さん
イェ アリンナさん(学生カメラマン)
伊藤淳子さん(学生ライター)


シュラスコレストラン「ALEGRIA」池袋
東京都豊島区東池袋1-47-2 サニーハイム1F

洋食ビストロ ハイカラ
〒167-0042 東京都杉並区西荻北3丁目25−1 七宝マンション 1階