とあるクルーの航海日誌/among usリプレイ

始めに

これはとある人物が宇宙旅行中に書いていた航海日誌である。
船内で起こった惨劇の内容が克明に記載されている。
この悲劇を繰り返さないために、私は日誌の記載者に許可を取りその内容を公開することにした。

注:本記事はamong usのクルー目線での行動内容を綴ったショートショートです。


Day 0

今日から念願の宇宙旅行だ。お金を貯め、好きそうな友人を誘い、ようやく実現したことがとても嬉しい。
残念ながらボロ宇宙船なので内部のメンテナンスは自分たちでやらないといけないが、共同作業によって友情が深まると考えればそこまで悪くもなかろう。
ただ、一つ気になる噂を最近耳にした。どうも宇宙船に乗り込む友人たちの中に1人詐欺師が紛れ込んでいるのではないかという話である。ネットを探すと出港したきり帰ってこない船や船員の過半数が死亡し命からがら帰港した船の情報がいくつか見つかる。考えすぎだとは思うが、万が一のことを考えてこの日誌を記そうと思う。

Day 1

出航自体は問題なく行えた。船内には至る所に不調が見られるが、全員で手分けすればどうにか問題ない範囲だったのは不幸中の幸いであった。

私はシールドや電気室の修理を行い、その足でセキュリティの修理を終えた。そこでふとした予感がして原子炉をのぞき込むと、案の定というかそこには緑だった死体が転がっていた。その時の衝撃をどう言い表したものだろうか。私は動揺を隠せないまま船内全域に緊急通報を流した。

皆がカフェテリアの円卓に集まる。詮無きことだが全員動揺が隠せない様子だった。
平静を装いながら友人たちの行動内容を尋ねる。通報が鳴った時点で黒は電気室、黄色は医務室、紫と白は管理室にいたらしい。中々情報が出そろわず、誰が詐欺師なのかは分からずじまいだった。一つ気になるのは白の様子が若干おかしかった所だ。船内地図を渡していなかったとはいえ自分の居場所が分からないということがありえるのだろうか。
僅かな疑念を抱きながら宇宙船の1日目が終わった。



Day 2

詐欺師が潜んでいることは共通認識となったが、誰なのか特定できない以上宇宙船の修理を進める他に我々ができることはない。我々は引き続き宇宙船の点検を始めることにした。
ネットで調べた話では詐欺師は様々な妨害を施しながら船員を殺害するようだったのだが、妨害らしい妨害はほとんどなかった。一度酸素枯渇の危機が訪れたものの、難なく対処することができた。
点検項目を粗方片づけ終わったこともあり、私は円卓の中央にある緊急招集ボタンを押した。

程なくして船員が全員集まる。死亡して来ないメンバーがいるのではないかという不安はあったが、杞憂であった。
点検状況を確認すると、黄色と紫も点検ノルマを達成したらしい。黒と白が終わっていないということだったが、白の様子がここでも少しおかしかったように見受けられた。自分のノルマが終わっているかどうかが分からない、ということがあり得るだろうか。
疑念は増してゆくものの、追放に必要なだけの情報が揃っていないのも事実。
確認項目の完遂を黒と白に依頼して一日を終えた。


Day 3

自分のノルマをこなしきってしまい暇になったため、私は白の行動を見張ることにした。明らかに点検をこなす様子ではなく不審な挙動が目立っていた。黄色も同じことを考えていたらしく。2人体制で見守ることになった。やはり挙動がおかしい。

刹那、気のゆるみから白への視線を外してしまい見失ってしまった。慌てて管理室の情報から現在位置を追跡しようとすると、ぐちゃり、という不快な音が聞こえた。慌てて振り返るとそこにはつい数分前まで黄色だった体とナイフを突き立てる白がいた。突然のことに動転しながらもどうにか船内の緊急通報システムを作動させ、凶刃を振るう白を無力化することができた。
不幸中の幸いというのだろうか、他の船員も同時に白の行いを目撃していたため説得はすんなりと進み、白を追放する運びとなった。その後は特に問題も起こらぬまま、我々の悪夢の宇宙旅行は幕を閉じるのであった。






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元ネタは昔身内でやったamong usセッション。
現実の題材を基に小説を書き起こすというのは新鮮な経験であった。
次はインポスター目線でも書いてみたいなと思う。


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