とあるインポスターの航海レポート①/among usリプレイ

はじめに

これはとある人物が宇宙旅行中に書いていた航海レポートである。
船内で起こした惨劇の内容が克明に記載されている。
去るルートからこのレポートを手に入れた私は、注意喚起のために

注:本記事はamong usのクルー目線での行動内容を綴った小説です。

登場人物→自分・赤・青・黒・白・黄色・茶色・ピンク・黄緑・オレンジ

Day1

ミッションの条件を考えると初日から疑われてしまうのは得策ではない。無論目的地の惑星に到着するまでに遂行しなければならないことを考えれば悠長なことはできないが、まずは各船員の性格も探っておきたい。
初日はいったん様子を見ることにした。

ウェポンルームにてピンクと一緒に接近する隕石を打ち落とすふりをしながら、原子炉にハッキングを仕掛けメルトダウンが起こるようにセットする。
ピンクが慌てて原子炉に向かうのを見てから少し時間を置き、原子炉に向かおうとしたところで緊急通報が船内に鳴り響いた。
立て続けに不測の事態が発生したが船員たちはパニックに陥ることなくメルトダウンを解決し、緊張感を緩めることなくカフェテリアに集合した。

緊急通報を鳴らしたのは白で、下部エンジンで赤の死体を発見したとのことだった。

当然疑われるのは原子炉メルトダウンの修理に向かっていた面々だが、最初に到着したオレンジと青は互いに殺人が不可能であると語っていた。
また、オレンジは原子炉修理に向かう直前に茶色がカフェテリアにいることを目視しており、茶色による犯行も難しい、と補足してくれた。青も黄緑が医務室周辺でタスクをこなしているのを目撃したという。

ピンクが私の無実を訴えてくれたので私もピンクを疑い位置から外すように進言した。容疑者が絞られるのは好ましくないが妙なことを口走り疑いの目を向けられる方が厳しいため仕方ない。

犯行に関われない者がかなり浮き彫りになってきたが、初日の緊張感と度重なるアクシデントにより船員全体に疲労の色が浮かぶ。今日は一旦休み明日以降改めて話し合うことにした。残念なことに(船員にしてみれば幸いなことに、なのだろうが)夜間は自動防衛システムが実行されているためミッションの遂行は不可となる。翌日以降の身の振り方を考えながら私も就寝した。

――

自動防衛システムは夜間にしか働かなかったらしい。これは船のリソースの問題だという。タスクを完遂することで常時システムが起動するようになるため、船員はタスクに専念していたのだそうだ。システムが働かずとも船員が起きている時には自力で対処できるだろうということなのかもしれないが、より安全に気を配られた船が選ばれていればこのような悲劇は起こらなかっただろうと考えるとやるせない気持ちになってしまう。

Day2・Day3

ミッションの進展が特になかったため2日分まとめて記載する。

原子炉のメルトダウンを発生させるものの流石に何度も同じ事象が起これば対処も手馴れてくるもので、あっさりと修理が完了してしまった。そして船員の安全確保も兼ねて緊急会議が招集された。

当然ながら初日に発生した殺人事件についての確認が会議の主題だった。
前日の情報をまとめると、容疑者は黒・黄色・白の3人に絞られることが分かった。再度この3人の位置を聴取したところ、どうも黒と黄緑の証言が合わなかったようだ。黒は上部エンジン経由で原子炉に向かったというが、その場合は黄緑が視認していないのはおかしいということらしい。とはいえ白の自作自演の可能性も捨てきれないため、議論はうち止まりとなってしまった。私としては幸いなのだが。

船内の空気が不信感で満ちてゆくのが手に取るようにわかる。しかしながらタスクが着実に進行しているのも事実。議論を仕切るピンクがミッションの障壁になるだろうと考えながら就寝についた。

――

ミッション前に支給された武器は殺人の証拠を残さない精巧な道具だったが、その精巧さ故に連続で使えないという欠点があるようだ。平たく言えば「充電時間」が使用の度に必要らしい。その上充電中は船内の防衛システムに検知されてしまうため夜間に充電することはできないため、日中即座に殺人が発生しない、というカラクリになっているようだ。

この充電時間は内部では「キルクールタイム」と呼ばれているということがこの資料から分かった。共有まで。





続く










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