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女性はとにかく容姿ばかり見られている

ある日、僕は鬼滅の刃の猗窩座と煉獄杏寿郎が戦う時のBGMが弾きたくなったので、ギターを弾いてる人の動画をYouTubeで検索して見ていた。

どこを押さえてどんなふうに弾いているのか、すなわち、運指を見たかったからだ。

その弾いてる人は女性だった。


コメント欄は本当に気持ち悪かった。

「美人ですね」
「かわいいですね」

そんな言葉ばかりが並ぶ。


僕の心の中の炎はメラメラと燃え上がった。

さて、これからセーラームーンと月に代わってお仕置きするために今日も綴っていく。

性別が変わると人の見方が変わる

人の性別が変わると、その人の見方が全く違うものになる。

今回この記事を書くにあたったギターの動画に関しても、男性が弾いてるものもあり、その動画のコメント欄には

「ギターうまいですね」
「すばらしいですね」
「ここの部分のここはどんなエフェクター(ギターの音質を変える機材)は何使ってるんですか?」

といった奏者の功績を称える言葉や演奏スキルについて問う言葉が並ぶのに対し、それが女性になった瞬間、

「美人ですね」
「かわいいですね」
「セクシーですね」
といったギターの弾いている「実績」じゃなくてその人の『外見』を評価する言葉ばかり並ぶ。

ようは、女性は実力とか成果よりも『外見』ばかり見られるのだ。


どんな職業にしても女性の方のニュースや報道を見てると、それが如実に分かるだろう。

記事のタイトルに「美人◯◯」「美しすぎる〇〇」というプラスの言葉ばかりが並ぶ。

ダイエットに成功した女性の記事だと「〇〇なボディに!」という言葉もある。


日常的に見れば、プラスな言葉だけじゃなく、マイナスな言葉もかけられる。

その人の気に召さなければ、「◯ス」「◯ブ」などといとも簡単に言われる。

とにかく女性は外見ばかり見られる。


シスジェンダー男性の僕でも、過去に『「かわいい」彼女できた?』と言われたことがあるのは、数えても片手で収まるレベルじゃない。

なんでいちいち「かわいい」という言葉をつけられるのか。

そして、僕にパートナーができたとして、なぜ自分のパートナーの外見がこいつの「かわいい」の基準で評価されないといけないんだ。

頭わいてんだろ。


今思えば、発言したそいつを東京駅のラーメン屋まで引きずり回して、ラーメンを作っている鍋の中に沈めたのちに、今度はそいつの家まで引きずり回してそいつの家の庭の草をむしらせてその草を全部洗濯機の中に入れてやればよかった(犯罪になるからやらない)。


男性とは違う見られ方をする確率が女性は遥かに高いのだ、想像以上に。


女性は容姿を理由に被害に遭うことが多い。

女性は何かと容姿を理由にして何らかの被害にあうことだってある。


仕事においても、外見が理由でムカつくことをされる人がいる。

○上司が仕事の成果じゃなくて、その人の外見しか見てない
○就活で会社の説明会に来たつもりが執拗に食事に誘われる
○しつこいナンパに遭う
○お酒の席に盛り上げ役として呼ばれる

といった被害が把握しきれないぐらい起こっている。


もちろん仕事に限らず、女性は容姿を理由にして(決して容姿を直せばいいというわけではありません、悪しからず)男性からは想像できない被害にあうことだってある。

この動画はシオリーヌさんという性教育YouTuberの方の動画であるが、道端を歩いている女性が、自転車に乗っている人からいきなり胸を触られる描写がある。


実は僕はこの動画にエキストラで参加したのだが、そのシーンの撮影があることに驚いた。

シスジェンダーの僕からしたら、「本当にそんなことあるの??」と思ったのだが、たまたま、シオリーヌさんの夫のつくしさんと話す機会があり、そのときに「実際にあるみたいですよ」と言われたことを覚えている。

そして、その動画が後日YouTubeでこの動画がアップされて、僕のSNSで拡散すると、フォロワーから「私も自転車に乗った人から胸を触られたことがあります。」とDMを頂いたことがある。


同じ世界に生きているのに、性別によって生きる難易度が違いすぎる。


世の中の女性全員が自分の肉体美や容姿を褒められたいわけじゃない

容姿を褒められるのが嬉しい女性もいるだろう、なんとかジャパンのメンバーとか。

他人に認められることでもっと自分磨きを頑張りたいと拍車がかかる人だっている。

それは何もいけないことじゃないし、その人が嬉しいのならそれでいいのだ。


しかし、世の中の女性がみんなそういうわけじゃない。

容姿について言われるのが嫌な女性だっている。

芸能事務所から『「売れる」容姿』だからという理由でスカウトのDMが来て不快な思いをした女性だっている。

何なら、水原希子さんだってどこの馬の骨かも分からない輩どもに自分の容姿を勝手に評価され、世界の美しい顔ランキングに勝手に入れられていることには苦言を呈してるのだ。

この記事には

いくら容姿を綺麗にしていても、人に優しくなかったり、意地悪な人は美しい人とは言えないと思うのです。私は心が美しい人が美しい人だと感じます。

と書かれているが、本当に納得である。


いくら容姿に磨きをかけていようが、まっとうな男性に性経験がないという理由だけでセックス講座と称してウーマンスプレイニングぶちかます女や、見えないところでいじめをやっている男は心から好きになれない。


というか、男性は

◯容姿を褒められて嬉しくない女性はいない
◯女性の武器は容姿

などのアンコンシャスバイアスを持っている人が多すぎる。

水原希子さんが受けた被害もそういったアンコンシャスバイアスによって起こったものの一つだろう。


男性同士で集まって女の人の話になれば、

「女には美容の話すればいいんだよ」
「女性は美容にお金かかってるんだから〜」

と高確率でそんな言葉が出てくる。


その場に女性がいれば、話している会話と関係ないのにとにかく女性の容姿のことばかり発言する輩も数えきれない。

その場を離れれば、そいつらで「どの子がかわいかった?」とその女性たちが見てないところで勝手にミスコン始める輩だっている。


そんな会話が起こるたびに、うんざりする。


ピカチュウがサーナイトに「ピカッ!(ぱっちりおめめがもっと輝いてより女らしくなれるまつげあげるね)」とか、ルージュラに「ピカッ!(女の命である長い髪を綺麗に保つためにビダルサスーンのシャンプーとコンディショナーあげるね)」なんて言ってたらそいつはピカチュウじゃない、クソチュウだ。


僕はそのクソチュウに「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ」(悪魔の666オラ)と顔の造形が分からなくなるぐらいラッシュをぶちかまさないといけない。

(ゲシュタルト崩壊が起こった方、すいませんでした。)


かくいう僕もそんなアンコンシャスバイアスを持っていて、学生の時に普段のコミュニケーションにおいても、女性と話すときに意識しすぎて「10時から深夜2時は肌のゴールデンダイムだから寝たほうがいいよ」とマンスプレイングをぶちかましてしまったことがある。

とにかく女性には美容の話をすればいいと失礼極まりない態度でいたので、ジェンダー・フェミニズムについて興味関心がある今思えば本当に恥ずかしい。

あの時は本当に申し訳ありませんでした。


ジェンダーやフェミニズムについて学び初めて本当によかったと思う。

じゃなければ、ジェンダーやフェミニズムが話題になる昨今僕も人様に迷惑をかける人になっていた。


容姿を理由にして自分の言いたいことを言うのは人権侵害になりうる

女性は何かと容姿を理由にしてどこの馬の骨かも分からない輩に好き放題言われる現状で、男らしくないシスジェンダー男の僕はすごく目眩がする。

容姿で人の価値を評価することをルッキズムと言うのだが、このルッキズムは非常に深刻なのだ。


ルッキズムのせいで、「男性に求められる容姿でいないといけないんだ」と追い詰められ、危険なダイエットをして摂食障害になる女性も沢山いるし、胸の大きさをどこの馬の骨かも分からない輩から危険なサプリを飲んで身体に害を及ぼしてしまう女性だっている。

未だに忘れられない話があり、シオリーヌさんの書籍か何かの記事で読んだのだが、危険なダイエットをした挙句、入院して点滴が何カロリーあるのか気にしていた女性の話を思い出した。

その女性は点滴を打たないと命に関わるレベルなのに、そんな状態にまでなってまでカロリーを気にするまで追い詰められてしまったのである。


その事実を知った以上、相手の容姿についての発言はどんな些細なことであっても口にしないと誓った。


容姿を褒められることで嬉しく感じる人たちはそれでいいのかもしれないが、それが嫌な人にとっては人権侵害でしかないのだ。

日本に住んでいる以上、日本国民には基本的人権の尊重が認められているので、人権侵害はあってはならない。

そして、そもそも容姿がお気に召さないからって酷いことを言ってもいい理由にもならない。

人権侵害になる可能性がある以上、容姿を褒めるという行為は基本しない方がベターである。


世間もどんどん変わってきている。

プラスサイズモデルという体の大きいモデルの人も増えているし、ファッション雑誌やファッションの広告もいろんな体型の人が写っているものが採用されている。

そんな風に世間は変わっているのに、女性の容姿に好き勝手言ってるのはマナー違反になるということを心に留めておかないといけない。


もう令和なのだから。

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