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「デート代は男が払うべきだ」と主張する女の人に伝えないといけないことがある

「デート代は男が出すのが普通でしょ?」
「デート代出してくれない男は…」

そう考えるあなたたちに伝えなきゃならないことがある。


それはデートDVになるということだ。


(文字の読めない頭の悪い人が勘違いするかもしれないが、決して僕がデート代を払いたくないと言ってるわけではないので悪しからず。)


デートDVって知ってる?

こんな書き方をすると、マンスプレイニングをしてるみたいで気が進まないが、強く訴えないと伝わらない頭の悪い人もいるので、あえてそう書く。

デートDVとは、交際関係にある二人の間で起こる暴力行為で、主に

・精神的暴力(行動をずっと監視する、悪口を言う、デートプランを男性任せにする、男性にお姫様扱いを強要するetc...)
・性的暴力(強制的にセックスする、裸の写真やセックスの動画を取る、いきなりキスをする、etc...)
・身体的暴力(殴る、髪を掴む、髪を引っ張るetc...)
・経済的暴力(デート代を一方的に全部支払わせる、相手のお金を勝手に使うetc...)

の4つに分けられる。


デートDVの被害者は女性に限らず、男性が受けることもある。

実際にセイシルという性に関することを勉強するサイトには、付き合っている女性からデート代の支払いを全部させられて苦しんでいる男性からの相談が寄せられている。

これを見て、僕はすごく頭にきた。

まだ10代の男性が毎日バイトをして、本業である学業を疎かになるぐらい追い詰められていた事実に。

しかも年齢が18歳だから、おそらく受験生だろう。

受験という大事なイベントも控えているのに、ここまで追い詰められてるのが本当に許せない。


付き合ってる二人はどんなことをしてもOKなんてことはない。

付き合っているからといって必ずセックスしないといけないことも、デートは必ず男がリードしないといけないということも、そんなのは法律で決められていない。

むしろ、そんなことしたら強要罪や強制性交等罪や強制わいせつ罪にもなりうるあるまじき行為だ。


今回の相談に限って言えば、男性だって自分のしたいことがあるのに、デートに行くたびに自分がデートで生じた支払いをさせられるあたり、恋愛のせいで自分の人生が狂ってしまっているし、見方を変えれば、逆に女性が男性を束縛している。

個人的に聞きたいのだが、デート代の支払いを全部男にさせて結果的に男性が身だしなみに気を使えなくなり、服も着れなくなってデートに素っ裸で来てもいいのか?


「男らしさ」「女らしさ」に囚われすぎじゃあないのかね?

なんで、「デート代を男が出す」という価値観に陶酔してしまうのかといえば、それは「男らしさ」「女らしさ」に囚われているからなのではなかろうか。

そういう価値観をなんで持っているのかを深掘りしていくと、「男は金、女は美貌」というアンコンシャス・バイアスが根付いているとも言える。

だから、男性はお金を稼いで、女性は美を磨き上げるのが常識みたいになってしまうのだ。


今やたくさんの人がSNSを使って何者かになろうとして、恋愛・セックスネタを発信しているが、性知識やジェンダーの知識がない人のものは注意をしないと性暴力をする要因にもなりかねない。

恋愛・セックスネタは興味を持つのも多いのが事実で、いわゆる「バズりやすい」トピックなので、なんちゃって恋愛・セックスアドバイザーが個人のどう頑張っても意見にできない感想を主張し始めファンを集めることに必死だが、その通りだと洗脳されてしまうのは本当に危険。


人間を性別の記号だけで見ることから性暴力はもう始まってるのだ。

人間には脳があって、考える能力があって、喜怒哀楽を感じることができる以上、相手のことをちゃんと理解して対話することが欠かせない。

女性だってご飯をいっぱい食べたいし、マスターベーションだってしたいこともある。

男性だって甘いものを食べたいし、セーラームーンが好きだっていい。

(シスジェンダー男性の僕はゴロツキをぶちのめすぐらい喧嘩も強いセーラージュピターが大好きだ。)


「デート代は男が払う」はどう頑張っても意見にできない感想である

「デート代は男が払う」という価値観は、そう思ってる側の感想にすぎないし、感想は人に押し付けてはいけない。


「デート代を男が払って欲しい」と個人で思うのは勝手だが、

「デート代はお互いに出し合いたい」
「デート代は割り勘にしたい」

そう思っている人を真っ向から否定するのは人権侵害にもなる。


今の若い人たちはデート代は割り勘でもいいという女性が増えてきているように思える。

少なくとも僕がお世話になっている性とかジェンダーの活動をしている女性たちは

「男性だけが払うのはかわいそう」
「割り勘でよくない」

と思っている人がほとんどだ。

さらにこう思う人は「デート代は男性が払う」という価値観を否定することもない。

多様性をしっかりと理解しているからだ。

性教育やジェンダーに関する活動をしている人たちは女性の生きづらさだけじゃなく、男性の生きづらさをなくそうと心と小宇宙を燃やして日本のジェンダーギャップを解消しようと奮闘している。


そんな状況でも「デート代は男が払うべき」という価値観を持ちつつ、それ以外の価値観を真っ向から否定して暴言をぶちかます人がいる。

一生懸命頑張っている人の顔に泥でも塗る気なのか?

頭わいてんだろ。

そんなのは男女平等を通り越して女尊男卑だ。

「ふざけんな」と口の悪いフェミニストの僕はそう思う。


僕が大好きなDJあおいさんもそうおっしゃっている。


それに「デート代は男が出すべき」という価値観を持っている人の理由の一つに「女性は美容と身だしなみにお金がかかっているから」というのがあるのだが、そんなものはドラクエ3のゾーマに「武器を完璧にしてきたのでお願いですから勝たせてください、マヒャド唱えないでください。」と懇願するのと同じように愚かなことだ。

ゾーマからしたら「知らんがな」としか思えないし、そんなことされたらさすがのゾーマもブチ切れてMPを無限にしてマダンテしか唱えてこなくなるだろう。


自分が相手によく思ってもらうためにおめかしを頑張ったのは理解できるが、だからといって「デート代は男が出せ」なんて何か勘違いしてないか?

仕事と恋愛は一緒と能書きを垂れるなら、仕事がうまくいくために投資をしたのにお金返せと言ってる大馬鹿と一緒だろう。


そして、これは「デート代は男が払うべき」と思ってる人たちに是が非でも読んでいただきたい記事。

この記事はデート代の価値観で違和感を感じていた僕を救ってくれたものでもある。

この記事を執筆した川口さんの記事は勉強になるので、デート代以外の恋愛やジェンダーのことで悩んでいたら読んでみるといい。


一番印象に残ったのは、

「なぜ、お金を支払う側にいる人間が、そのお金で自分の価値を測ろうとするのか?」

という文章。

二人の時間を楽しむためにデートをしており、その場所としてお店を利用したのだからお店に払うのであって、相手に払うお金じゃないのに、相手に払っていると思っているのなら、そんなのキャバクラと一緒じゃないか。

「デートをする」という意味を本質から理解していないことがよく分かる。

デートとは相手を評価する時間ではなくて、相手と時間を共有して話をしてお互いが楽しかったと言えることが大切なのに、男性が辛い思いをしてるなんて本末転倒。

こんなことは女性から男性に対する暴力のひとつと言っても過言ではないだろう。


参考文献


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