【読書感想文】失はれる物語 乙一

またまたちょっと苦手な短編集。
かと思いきや、内容のせいかそれぞれの作品にしっかり引き込まれてそれぞれしっかり楽しんで読むことが出来た。

全編に渡って人付き合いが苦手なタイプの人々が登場していて普段から人付き合いが苦手な私には感情移入がしやすかったのかもしれない。
また、生と死の境界線での数少ない理解者との関わり方が様々なパターンで描かれていて普段からぼんやり「死」について考えている私には特に興味をそそられる話ばかりだった。

特に表題にもなってる「失はれる物語」はとくに自分に置き換えて読んでしまって考えさせられるものだった。
常に自分だったらどうするだろうばっかり考えてたけど、考えれば考えるほど自分ではこの状況に耐えられそうになくて読みながら不安で不安で仕様がなかった。

全体を振り返ると普段の読書より一段深く考えさせられながら読んでいて、単に消費する小説にしてしまうのはもったいない小説だと思った。
そのくらい印象に残る作品だった。

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