24-20 競争心を考える

さて、スポーツの現場にいると、自分の経験すなわち昭和の経験とついつい照らし合わせて考えてしまうことが多いのであるが、少しでも選手目線で考えなくてはと思う日々の中で、今回は競争心という言葉を考えてみたいと思う。
 先日指導の現場で、それほど“勝利に執着を感じない“という言葉が一部のメンバーから聞こえてきた、僕も似たような感覚を持っていたが、とはいえ、試合の時に手を抜いている感じをするわけでもない。勝負の瞬間に勝負を蔑ろにしているわけでもないように感じる。何に関しても真面目である一面なのかもしれないし、ある意味Z世代の特徴なのかもしれないが、改めて競争心を捉えてみたいと思ったきっかけであった。
 競争心の特緒を考えてみると、以下の項目が挙げられる
向上心: 自分を成長させ、より良い成果を出したいという意欲
比較意識: 他人と自分を比較し、自分の位置や能力を評価しようとする意識
挑戦心: 難しい課題や新しい挑戦に対して前向きに取り組む意欲が強まり、その先の達成感がモチベーションとなる。
達成感: 競争に勝つ経験により、目標を達成したときの満足感や喜びを経験する。
競争心は適切に管理すれば、個人の成長や成功に繋がるポジティブな力となりますが、過度な競争心は人間関係の摩擦や自分自身へのプレッシャーを引き起こすマイナス面もあるかもしれません。
昭和の時代は、この辺りが説明抜きに、経験則から押し付けられていたのかもしれない。と今となって思うのである。さて、こう言ったことが、世代が異なるとどんなすれ違いが起きそうか考えてみると、
価値観の変化:最近の若者は、仕事や生活のバランスを重視する傾向があり、競争によって得られる物質的な成功よりも、精神的な充実や社会的な意義を重視する価値観を持つ人が多いように思われる。このため、従来の競争心とは異なる形でモチベーションを持っている場合がありそうである。
社会の変化:情報技術の発展とインターネットの普及により、誰でも多様な情報にアクセスでき、異なる価値観やライフスタイルに触れる機会が多くなっている。これにより、競争よりも協力や共有を重視する文化が広まっている可能性がある。
メンタルヘルスの重視:最近はメンタルヘルスの重要性が認識されてきており、過剰な競争がストレスや不安を引き起こすことを避けたいと考える人が多いように思う。健康でバランスの取れた生活を送りたいという思いから、競争心を抑える傾向があるかもしれない。
社会的なプレッシャー:近年若者は、社会的なプレッシャーや期待に対して敏感であり、その中で自分自身を見失わないようにするために競争心を抑えることがあるかもしれない。過度な競争が個人のアイデンティティを曖昧にするリスクを避けたいと考えることもあるかもしれない。
新しい成功の定義:成功の定義が多様化していて、必ずしも伝統的なキャリアの成功や経済的な豊かさを唯一の目標とせず、自分の価値観に合った形での成功を追求する傾向があるように感じます。このため、従来の競争心とは異なる形で成功を目指す場合があるでしょう。
よって、近年の学生の競争心が低く感じられるのは、従来の競争の概念や価値観が変化していることにより、より多様な価値観を持ち、健康やバランスを重視し、協力や共有を大切にする傾向があります。この背景を理解することで、彼らの動機や行動をより適切に捉えることができるかもしれない。
 
彼らが社会に出てしばらくは、彼らの上司の中に昭和の人間が多くいるかもしれないが、彼らが一人前になる頃には平成の人材が、彼らを導くことになっていくだろう。僕自身も、社会に出るにあたって、自分が困った人間関係を克服できるようにと負荷を変えている部分はあるが、それ自体がすでに不必要なものなのかもしれないと言う選

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