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【観劇】中野坂上デーモンズの憂鬱 特殊公演『回る』

2020.03.29
中野坂上デーモンズの憂鬱 特殊公演
『回る』
作・演出:松森モヘー

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新型コロナのにより、不要不急の外出を控えるよう呼びかけがあった週末。
中野坂上デーモンズの憂鬱の公演を予約していた。
果たして自分にとっての不要不急とは何だろうか。
行くリスク、行かないリスク、もちろん意見や考えは千差万別であり、どちらの言い分も間違ってはいないような気もするのだが、今回は「観に行く」を選んだ。
ずっと追っているデーモンズの行く末、この状況下でモヘー氏が書き上げた作品を見届けたかった。
街は雪の影響もあり、ひっそりとしていて、人もまばらだった。

不謹慎と笑いを織り交ぜ、今書きたいもの、今表現したいものを書き上げたモヘー氏は、この状況、この期間だからこその作品を作り上げていた。
そしてそういった空気を感じ取れるのが、生の演劇の醍醐味だと改めて実感した。

コロナ騒動で『園』の公演が中止になり、やりきれない想いや、どこにぶつけたらいいのか分からない感情がおそらく生まれただろうが、その気持ちは計り知れない。
生半可な気遣いで救えるほどのものではないと思う。
だからこそ、『回る』を書き上げることが、モヘー氏には必要だったのかもしれない。
表に出ることなく失われた『園』。
上演まで至らなかったがために『園』を彷徨い続けた。
『回る』は、そこから一歩踏み出すために、もがき苦しんだ結果おこなわれた葬式であり、卒業式だったように思える。

公演のチラシには、自由に、好きにやらせてもらったと書いてあったが、苦しんだ上で『演劇』に改めて向き合った旨も記されていた。
いつも言っているが、モヘー氏の作品には、作品を生むための苦しみや痛みを感じる。
自分はその「痛み」が好きだし、今回の作品は、特にその「痛み」がヒリヒリと伝わってきた。

終演後、少しモヘー氏と話したが、込み上げた想いで涙が流れた。
そして帰り道、止まらない涙のまま、彼を前にして簡単に涙を流してしまったことを後悔した。


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