「アスファルトを鳴らして」を聴いて考えたこと。
初めまして、リキエライトと申します。初noteです。拙い文章かと思いますが、何卒ご容赦ください。
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このパートはアイマス合同ライブ後に加筆しています。合同ライブでノクチルに興味を持っていただいたPさんが、これを読んでいましたら幸いです。
現状、「アスファルトを鳴らして」はノクチルのサブスクが解禁されている唯一のCDに収録されています。
ですがこの曲、2年間のノクチルの物語の「解答」としての側面が強いです。サブスクでこれだけ聴いたよ!という方は非常にお手数をおかけしますが、YouTube或いはシャニマスゲーム内試聴などで、1度ノクチルの歴代の曲を聴いていただいた上で、「アスファルトを鳴らして」そしてこのnoteを楽しんでいただきたいです。歴代の曲といってもサブスクに無いのは4曲なので、そこまでお時間はとらないはずです。よろしくお願いします。
それでは以下本文です。
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始めに
P@NOLAMA WING07。皆さんお聴きになられたでしょうか。ノクチルも3枚目のCDですね。2020年にアイマスに参入した僕もなんだか感慨深いような気がします。
ここで書きたいのは題名の通り、
「アスファルトを鳴らして」についてです。
とにかく良かった。
試聴の時点で本当に良かった。
少なくとも、ログインすらしなくなるほどシャニマスのモチベが落ちていた自分が、デイリーを毎日やるようになり、買わないつもりだったMUGEN BEATの配信チケットを買うきっかけになるほどのパワーがこの曲にはありました。
1人のノクチルPとして、この感動を一過性のものにしたくない。また、思いついたことを言葉にして残しておきたい。そんな思いで筆を取っております。
もちろん、ここに書き連ねたことは全て私の勝手な解釈です。行間読み過ぎ!と言われれば返す言葉もございません。まぁでも考察ってそんなもんなので。それでも良いよって方は私の言語化と考察に付き合ってください。
できれば「アスファルトを鳴らして」を聴きながら。
前置きが長くなりましたが、以下から本編です。
テンポの違い
Catch The Breezeも同様なのですが、この曲からは以前の4曲:
・いつだって僕らは
・あの花のように
・僕らだけの未来の空
・今しかない瞬間を
:と違って随分ゆったりとした印象を受けます。
ノクチルの曲といえば、爽やか・軽快なバンドサウンドのイメージが強いですよね。「いつだって僕らは」とかライブで声が出せるようになれば絶対コールがつくことでしょう。「今しかない瞬間を」もラスサビ前にクラップパートがあったりします。
BPMを測って比較した訳ではないので実際はそんなに大きく変わっていない可能性もありますが、少なくともコールがバンバン入るようなノリノリの曲でないことは確かです。
''今までの''ノクチルらしさは薄いですが、非常に「ノクチルの4人らしい」2曲だと思います。
ゆったり・マイペース・風の吹くまま気の向くまま。そんな印象を受ける2曲です。
この従来の曲調からの変更に、なにか意味を見出すならば、やはりイベントコミュ「天檻」の存在が大きいと思われます。
このコミュはノクチルの成長と共に、シャニPの成長・心情の変化が重要なコミュだったように感じます。
イベントコミュ「天塵」から始まったノクチルの物語が、ひとまず着地したのが「天檻」だったのでしょう。
シャニマス作中世界でCDの企画・作曲・収録がどのように進められているのかは分かりませんが、「天檻」を経たことで企画段階におけるシャニPのディレクションに変化があり、それ故に生まれた曲調の変化だったら面白いなぁ、と思ったり。
海から陸へ
先程は作中からの視点で語りましたが、ここからはプレイヤー視点で語っていきます。
ノクチルのキャッチコピーは「チルアウト・ノクチルカ」。ノクチルカとは『夜光虫』を意味します。夜光虫は体長1mm程の微生物で、刺激に反応して夜間青く光るためこの名が付きました。
ノクチル全体のテーマの話になるのですが、
夜光虫というモチーフ。CDジャケット。思い出アピール。そして歌詞などから判断して、
自分は「いつだって僕らは」から「Catch the Breeze」までの5曲を『海を泳ぐ曲』だと考えています。
歌詞例:あの花のように
「永遠に続くような瞬間を 息継ぎもしないで泳いでいこうよ」
Catch the Breeze
「キラキラ水面に映る どこまでも澄んだ空の下
ゆらゆら浮かんで 果てしなく続いてる青を漂う」
これに対し、「アスファルトを鳴らして」は
ノクチルが初めて『陸に上がった曲』ではないかというのが自分の解釈です。
しばしシャニマスから話が逸れますが、生物が陸へ上がるというのは地球史における一大イベントです。
そも、水中で生まれた生命にとって、地上とは生存に適していない場所でした。
乾燥を防ぐために皮膚を進化させねばならない。酸素を得る為に鰓を肺へ進化させねばならない。そして、重力に負けないためにヒレを足へ進化させなければならない。
地球46億年の歴史において、海で最初の生命が産まれたのが約38億年前。そこから陸上生物が確認されるのが約4億年前である事を考えれば、陸へ進出することの難しさがわかるかと思います。
アイドルや芸能界を海に例える楽曲やアイドルさんは、アイマス全体に結構いると思います。(古論クリスさんとか…合ってるよね?)
ノクチルの場合この逆で、海が彼女たちのホームであり、過ごしづらい陸こそを、大変なこと・辛いことがたくさんある芸能界に例えている気がするのです。
━━━━━━━海で生まれた微生物はいつしか、進化して陸へと上がり、ヒレではなく足を踏ん張って、よいしょ、よいしょ、と歩みを進めていく。
思うように動けない陸で生きていくのは辛いことだらけ。素早く動ける海は楽ちんだったけれど、海の中では決して見えなかった可能性を。
水中にいた時より速度は遅くとも、その歩みには確かな価値があるのだと。
だからこそ、「アスファルトを鳴らして」力強く大地を踏みしめて歩いていこう━━━━━━━━
━━━━━━そんな歌なのかなと考えています。
また、「天檻」ではノクチル(特に透?)がクジラに喩えられていました(ロゴもクジラ)。イベントコミュ「アジェンダ283」でも透がクジラの鳴き声を動画で聴いているシーンがありました。
クジラとは1度は陸地に生活圏を広げながら、再び海へと進出した生物です。
夜光虫に加え、ノクチルに生物・進化などの要素が含まれるのならば、
今は陸へ上がったノクチルが更に進化して、クジラのように再び海へと戻る曲がやってくるのかも…
なんて未来を夢見ています。
本当の意味での「信号機」
※ここから2番の歌詞の内容にも触れていくため、まだフルで聴いていない方は注意です※
2番に、透が歌う
「人と人が行き交う交差点 信号の光
君はどんな色をした 未来を見ているんだろう」
という歌詞があります。
これ、この曲の肝だと個人的に思っています。
古来アイマスには赤・青・黄のセンター3人を指す俗称として「信号機」というものがありますが、これはアイドルの色から信号機を連想した呼称です。
こちらの意味ではなく、本来の意味での信号機の色がアイドルにそれぞれ割り当てられている、という事ですね。
一人一人見ていきましょう。
まずは透の青「進め」。
群青のような濃い青というよりは爽やかな碧、といった色です。少し緑が差した、青信号の色。
何よりアイドル:ノクチルを初めたのは透です。本人にどこまでその気があるかわかりませんが、「ノクチル」の指針を決め、前へ前へと進む推進力を生み出しているのは間違いなく透でしょう。
円香は赤「止まれ」。
言わずもがな、アイドルに対して最も消極的だったのは円香です。雛菜も小糸も283プロに応募することでアイドルとなりましたが、円香はアイドルになる気は毛頭無かったはずです。
その辺りの円香の物語や、円香のアイドルへの解答は長くなるので割愛。
ノクチルを止める、ブレーキをかける役割を担っているのは円香でしょう。(本人がぶっ飛ばしていく場合も多いですが)
余談ですが、夜に青く光る夜光虫は、昼間に大量発生すると海が赤く染まって見えるそうです。
雛菜の黄色。
これは「注意」というよりは信号機における「赤と青の中間色」です。進むことも止まることも可能な自由な色、自分のやりたいように動ける柔軟性を持った色、と考えるのが雛菜らしいかと思います。
そして小糸の紫。
信号機に存在しない色ではありますが、紫とは赤と青を混ぜた色です。基本的に止める側=赤である事が多い小糸ですが、小糸が初める・進める側=青になる場合も往々にして存在します。例えば、イベントコミュ「さざなみはいつも凡庸な音がする」は小糸の自主性・行動力に着目されたようなイベントでした。
更に派生して、赤と青だけの信号機=歩行者信号であるという捉え方もできるでしょうか。ビュンビュンと速い自動車の行き先を決める信号ではなく、ゆっくり歩く歩行者に寄り添う信号機。
小糸の目指すアイドル像
「誰かの隣で励ますことのできるアイドル」とも重なるように思います。
では歌詞に戻って、「交差点」と「信号の光」について考えていきましょう。
↑
← 🚦 →
↓
こんな感じで(もっと上手く表現できた気がする)、交差点というのは基本的に、今いる地点から4つの道があるわけです。信号を渡って前に進むのか、左右に曲がるのか、或いは戻るのか。
4人が違う方を向いている、と言うよりはベクトルの話でしょうね。今いる地点からどうしたいのか。
そして、2番サビ最後の歌詞がこちら。
「だからもう振り向かずに 青い光の指す方へ
渡ってみよう 迷わないで 自分の足で明日へ」
これがアイドル:ノクチルの解答です。
青い光の「射す」方ではなく、「指す」方というのが良いですよね。青い光が射し込んでくる方向ではなく、青い光が「指し示す」方向であると。
ジャケットイラストでは4人の中で透だけ笑顔なのが印象的なのですが、彼女たちを信号機に例えた時、何か思うところがあるように思えます。
横断歩道の上というのも、
僕らはまだ渡り始めた途中・1歩を踏み出したところだ、と取ることも出来そうです。
オタクくんパート
考察らしい考察は語れたのでここからは普通に好きな歌詞を語っていこうかなというパートです。
・「後ろじゃなく 胸を張って 隣で笑えるように」
この歌詞、1番サビとラスサビで譜割りが違うんですよね。
1番「後ろじゃなく」は円香、「胸を張って」は小糸、「隣で笑っていたいから」は4人です。
これはわかりやすいですよね。透の後ろじゃなく。小糸は自信を持って胸を張りたい、って歌詞です。
ラスサビは「後ろじゃなく」を雛菜と小糸、「胸を張って」を透と円香が、そして「隣で笑えるように」を雛菜と小糸が歌うんですよ。
も〜〜〜〜〜!!!
そういう同じ歌詞で違った意味になるようなのがオタクは好きなの!
いやラスサビは本当に良くて、
「後輩組が小走りで先輩組を追っかけて、先輩組は凛とした表情で前を歩いていて、追いついた後輩組が両脇から顔を覗き込んで、皆でにっこり笑って、横並びで歩いていく」
っていう画が浮かんで来るんですよ!聴いただけで!は〜〜たまらんわ〜
・唸った歌詞が2番サビ、円香の
「どれだけ願ったって明日が迎えに来るから」。
初見時うわぁ、と感嘆してしまいました。
普通、「明日」って希望とか喜びって感じの前向きなワードとして使われるんですけどね。
未来とは必ずしも希望的な要素では無いというか、今のままで十分なんだから無理に進まなくて良いじゃないか、みたいな。願うほどに停滞を望むのか、という。
余談ですが、これを書きながらふと、凛世と円香のホーム画面会話を思い出しました。めっちゃ味があって好きな会話なので是非2人に設定して聞いてみてください。
こんなふうに書いてはいますが、円香の気持ちはめっちゃわかるんですよね。何かを始める時、或いは続けていたものを辞める時ってめっちゃくちゃ怖くて勇気がいる。変化って怖いもんね。
少し歌詞からははずれますが、円香はそういう、誰もが持ってる恐怖、或いは熱さみたいなものを備えたアイドルだよなぁと。
楽な「今」でいたいけど、それはもうどうしようもないから、ハァとため息をついて。
「だからもう前を向いて 青い光の指す方へ
渡ってみよう 迷わないで 自分の足で明日へ」。
と、それなりに担当を語ってnoteを締めようかなと思います。
最後に
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。ほんとにだらだらと書き続けちゃって、まぁまぁな文字数になってもうてます。絶対読みづらい。
これ最初の方に書いてるのでわかるんですけど、書き始めたのPW07が発売された時なんですよね。
今何年の何月何日ですか、リキエライトさん。年内には仕上げよ〜とか言ってましたよね?
まぁ辞めたりせずに完成に漕ぎ着けたので。良しとします。合同ライブの熱量のおかげで書き上げられました。
何度も言うようですが、ここまで読んでくださった方、本当に本当にありがとうございます。
ノクチルは本当に色んな解釈、見方ができるユニットです。ここに書き連ねたのはいちプロデューサーが見た、ノクチルというアイドルの言語化です。
あなたが見たノクチルは、どのような色をしているのでしょうか。その色が、このnoteで少しでも鮮やかになったなら幸いです。
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