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決定的瞬間の北斎か、抒情と物語性の広重か!? どっちがスキかな? わし流 芸術の夏2021④「富岳三十六景への挑戦 北斎と広重」江戸東京博物館

北斎と広重-1ブライト&ビビッド

だいたいタイトルと同じような感想です。

このところあちこちで浮世絵を見て回っているため、「船の舳先がみな富士山を向いている」とか「漁師が持つ網の角度等が富士山の三角形がダブっている」とか「本当はここからは富士山は見えない」とか、おおむね覚えてきちゃいました。藤子不二雄Ⓐ先生のトキワ荘、美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」、なかにし礼さんの満州引き揚げのエピソードなどをテレビ等で何度も聞いて覚えてしまうのと同じですね。

また、題材となっている場所にはワシが実際に行ったことがある場所がけっこうあります。そのため広重の「蒲原」は温暖で大雪にはまずならないし、しかもこんな斜面ではないことも知っています。が、絵としては最高傑作かもしれないほど抒情的で素晴らしい。この作品は「絵とは何か?」ということまで問いかけているような気もします。ま、もともと広重は雪景色が多いように思えますが。

こうしてくらべてみると両雄が「あいつには負けるか」と意識して描いていたのがよくわかります。競ったからこそ、いまも現役であるかのような傑作の数々が生まれたのでしょう。


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