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80代にしてなお先へ進む天才! わし流 芸術の春2022⑤「梅図かずお大美術展」東京シティビュー

ワシが梅図先生のマンガをリアルタイムで読んでいたのは週刊少年サンデーの「怪獣ギョー」「アゲイン」「漂流教室」「まことちゃん」といったあたりなので、おおむね70年代ということになります。「まことちゃん」でも表題作よりも、若返ったおじいさんの方が主人公の「アゲイン」が好きでしたなあ。アニメ映画化の「まことちゃん」は夏の住み込みアルバイトの休日に小田原の映画館で「翔んだカップル」と2本立てで見た思い出もあります。

さて、今回の展示は「ビッグコミックスピリッツ」に連載された「わたしは慎吾」の続編にあたります。同じころ同誌に「めそん一刻」が連載されていたとおもうので読んでいたはずなのですが、正直、あまり記憶がありません。なんでかなぁ…?

で、今回の作品、実はマンガではなく、アクリル絵画101枚による連作(すべてタテ・3枚ワイドスクリーン方式あり)。近年、美術館で見ている形式でいえば歌川広重の「名所江戸百景」に近いけれど、101枚がストーリーになっているという、新たなる形式。80代にして前人未踏の地に踏み込んだといえましょう。

すべてタテ構図だったとおもうので、構図に制約があるわけです。が、マンガのコマ割りのように1ページあるいは見開き2ページの中ならばコマのかたちは自由、ということで展示したとすると、見る方は見づらくなってしまうのは明白。よって同じ大きさにしたとおもわれます。おかげでみんなスムーズに移動していました。

また、最近は某大ヒットアニメのように、言わんでもいい自分の心理まで、あまりにも説明的セリフが目立ちますが、本作は文字を極力おさえ、我々が想像する余地があってここちよかったです。

美しい顔、不気味な顔、強烈な色彩。イス女などの、嫌~なキャラクター。やっぱり梅図先生は天才、ということになりますね。


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