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アスリートのメンタルヘルス

 昨日2021年10月21日の毎日新聞記事でアスリートのメンタルヘルスについて書かれた記事を読んだ。論説委員の滝口隆司氏が書いたオピニオン「アスリートと心の不調」という記事である。
 大坂なおみ、シモーン・バイルス、エリザベス・キャンべージ選手らに触れた内容だった。

 私自身はスポーツについてまったく詳しくないが、スポーツ選手にも大きな影響与えるメンタルヘルスについては関心があった。

 コンマ何秒を競うというような世界で、精神状態が、大きな影響を与えることは門外漢の私にも想像できる。ふだんの実力や技術力の差よりも精神力が非常に重要になってくることがあるからだ。
 (もっともこれは何もスポーツばかりでなく、例えば、極度な緊張を強いられる音楽コンクールなどでもそうかもしれないし、その他いくらでも精神状態が結果に重大な影響を与える例は見出せるだろう。)

 私は、これまで、プロ・スポーツは結果がすべての世界であり、心の状態を最良に保つことを含め、自らが最後に最上の結果を残せたものが栄冠を勝ち得る世界だと素朴に思っていた。

 だが、この記事を読むと、これからの国際試合などではメンタルヘルスをうまく支援することが、栄冠を獲得するのに微妙な影響を与える可能性があるなとも思われた。

 しかし、そうすると、やや極論になるかもしれないが、アスリート自らが心をうまく制御するのでなく、その感情、精神、心を当該スポーツに最も見合ったように制御することを、組織を挙げて科学的に分析したり、心理面から支えたり、経済的な支援ができる国の選手やチームこそ有利になってしまうのではないかという見方もできるだろう。

 一方、国技とされる相撲などの例では、「心技体」と言われるように、もとより、心の状態を最良に保つこと自体もアスリートの実力の内、努力しなければならない事項の一つとみなされる場合もあるはずだし、だからこそ、瞬間にして、小兵の力士が、精神力や技によって、大きな力士に勝つ面白さなども出てくるのではないかとも思う。
 
 私は、どんなスポーツも、アスリート自らが、心や精神や感情をすべて制御すべきで、それも実力のうちのはずだとは思わないが、それを組織を挙げて制御してしまうのには疑問を感じる。
 ただ、プロの世界での規約のようなものがあるのかもしれないが、競技前後のインタビューなどの事柄がアスリートの精神をかき乱して心や感情を不安定にさせ、実力を発揮させなくするのは好ましくないとは思う。



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