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【理系が書いた3分小説】2.結ばれる運命

今日は3対3の合コンだ。
本当は先月に開催する予定だったが、諸事情で延期になり、今日を迎えた。
みんな一層気合が入っている。

まずは自己紹介から、ということになった。
「アラタです。よろしくお願いします。」
こういうのは、最初に済ませるのが面倒でなくていい。

残りの男性陣も、俺に続く。
「僕は、ゴウと言います。よろしくお願いします。」
「はじめまして、アツシです。よろしくお願いします。」

次は女性陣だ。
「ウミです。よろしくお願いします。」
「私はトモミです。よろしくお願いします。」
「私はキャサリンです。お願いします。」

最初の話題は、やはりキャサリンの国籍だった。
「キャサリンちゃんはどこのご出身なの?」
「イギリスです。今は留学で日本に来てます。」
「日本語上手だよね~。」
「いやいや、いまだ勉強中です。もっと勉強したいです。」
「おれ、実は日本語講師やってるんだ!」
すかさず言い放ったのは、ゴウだった。
「ホントデスカ?」
「おっ!良いじゃん!教えてもらいなよ!」

ゴウとキャサリンは、序盤からいい感じになった。

となると、残りはウミ、トモミである。
俺は正直、どっちでもいいと思っている。
なぜなら、二人ともかなり似ているからである。

ウミとトモミは、高校時代の同級生らしい。
「どっちが成績良かったんですか?」
隣にいたアツシが聞いた。
ストレートだが、なかなかいい質問だ。

ウミとトモミは顔を見合わせた。
「私でしょ!」
「いや私よ!」
「トモミほとんどCだったじゃん!」
「そういうウミだって私よりC1個少ないだけでしょ!」
どうやら二人とも、あまり良くはないらしい。

決め手に欠けたが、Cが1個少ないらしいので、ウミにした。
ということで、アツシはトモミ、ということになった。

会自体は割とスムーズに終わった。
それなりに盛り上がり、それぞれのペアもいい感じになった。
さらに、その後はすべてのペアがカップルになった。

が、その1週間後、俺とウミのカップルは別れることとなった。

残りのカップルはうまくいき、今や二重らせんのように固い絆で結ばれている。
後で聞いた話だが、ウミは何度も付き合っては分かれてを繰り返しているらしい。
RNA、、、いや、DQNには気を付けなければならない。


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