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乳化に失敗したので、乳化について調べてみたら謎が深まった①


こんにちは、ゆーみるしーです。

最近料理にハマって、オンライン料理教室に参加してみました!お家で作ると使い慣れた道具で作れるし、材料も自分で揃えるので、あとでもう一度作りやすい!おすすめです!

そして先日は「洋風酢豚」をつくりました!これは、黒酢の代わりにバルサミコ酢を使って豚肉を焼いたお料理。自分では思いつかないようなアレンジで楽しく作れました!

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とっても美味しかったんですが!

実は最後のソース作りを失敗してしまいました。写真を見ると、ソースが2層に分離しちゃってますよね?

バルサミコ酢などの入った煮汁にバターを入れて乳化させる。これが難しかったんです!くやしかったので乳化の仕組みを調べて次は失敗しないぞ!ということで乳化について調べてみました。

注)食品化学の専門家ではないので間違った記述があるかもしれません。できるだけ一次情報を当たるようには心がけますがご留意ください。

乳化とは

そもそも乳化とは何か!

本来混ざりあわないもの同士が均一に混ざり合う状態のことで、料理においては一般的に水分と油が混ざり合った状態のことをさします。
クックパッドより

なるほど、つまり、普通は混ざり合わない水と油が混ざった状態が、「乳化」か。たまに2層になってるドレッシングとか見かけませんか?あれは乳化していない状態なんですね。

今回の例では、バルサミコ酢とバターを混ぜようとしました。

乳化しているとき、水と油はどんな状態?

じゃあなんで混ざり合わないはずの水と油が混ざるんだ?

油と水が乳化して混ざり合うのは、乳化剤のはたらきです。

(中山弘典 木村万紀子,科学でわかるお菓子の「なぜ?」 ,柴田書店,2009)

ほう?

乳化剤は、水となじみみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(疎水基)を持っていて、本来混ざり合わない水と油の仲立ちをして、両者を混ぜ合わせる役割をします。

(中山弘典 木村万紀子,科学でわかるお菓子の「なぜ?」 ,柴田書店,2009)

そして水に油が小さい粒になって混ざるパターンと、その逆の2種類があるみたい。

乳化図.001

えっ?これ、親水基が内側になるか、外側になるかって、何で決まるの?!

そう思ったら、ちゃんとその下に書いてありました(笑)

水中油滴型:水分材料をベースに、油脂材料を加える場合
      例)牛乳、生クリームなど
油中水滴型:油脂材料をベースに、水分材料を加える場合
      例)バターなど

(中山弘典 木村万紀子,科学でわかるお菓子の「なぜ?」 ,柴田書店,2009)

なるほど、水に油を加えるか、油に水を加えるかで変わるんですね。

っていうか、牛乳やバターってもともと乳化してたの?!

牛乳の成分は約90%が水分で、4%が脂肪(Wikipediaより)なので、きっと水中油滴型なんですね。

そういえば、ヤギの乳は牛乳に比べて脂肪球が小さいって聞いたことあるけど、乳化剤の中にどれだけ油脂が閉じ込められるかっていうのが違うのかな?それって何で決まるんだろう。。。

こんな記事を見つけたので読んでみた。

ここでは、乳化剤がもたらす液-液分散系について説明する。

溶液に付与される名称は、一般に溶液中に含まれる分散粒子のサイズで規定するのが明瞭である。図3に示すように、エマルションの分散粒子サイズはサブミクロンから数十ミクロンの範囲にある。それ以下の粒子を含む溶液はマイクロエマルションやナノエマルション、可溶化ミセルなどの種々の名前で呼ばれている。以下に記すが、粒子サイズは分散安定性と強く関係しており、平衡か非平衡かの観点でも各々の分散系を大別することが可能である。

へー!なんとなくミセルやエマルションという言葉は聞いたことがあったけど、大きさで名前が決まってたのか。そして、この記事で扱われるのはエマルションと呼ばれる大きめの粒のものらしい。

エマルションを理解するために、まずエマルションが非平衡系であることを認識しなければならない。エマルションは不安定なものであり、最終的にはエマルションが崩壊し、混ざり合わない二つの液体に分離する(図4)。

えっ、乳化して混ざった水と油って最終的に壊れてまた分離するの?!

安定性も考えないといけないのか。

え、じゃあ乳化してる牛乳ってしばらくほっておくと水と油脂に分かれるの?

と思ったんだけど、

食品の中で代表的なエマルションである牛乳の乳化滴(脂肪球)の安定性から理解される。脂肪球の中心には、トリグリセリドを主成分とする中性脂質が存在し、その周囲をリン脂質や糖脂質などの天然乳化剤が覆い、さらにカゼインタンパク質が界面に吸着することで脂肪球の安定化を向上している5。

どうやら牛乳は2枚層になっていてすごく安定しているらしい。

一般的に、タンパク質は嵩高い高分子であり、界面活性を有することから、油水界面に吸着して界面膜を形成し、界面膜に機械的な強度を与え、エマルションの水和に寄与すること、さらに、立体的・静電的な反発によりエマルションの凝集を抑制することで乳化安定化にとって主要な役割を果たしている。

なるほど、牛乳とか生クリームを振ってバターを作るっていうのは、このタンパク質の膜を剥がして「エマルションの凝集」をすることで固めてるのかな。

〜なぜ、生クリームからバターになるの?〜
生クリームの中の脂肪分は、たんぱく質の膜に覆れていて水分と混ざっています。
これに衝撃を与えるとたんぱく質の膜が壊れて、中の脂肪同士がくっついていきます。
これを繰り返すと、脂肪同士がどんどんくっつき、水分と分離してバターになります。おうちでもやってみてね!

(YouTubeの説明より)

そう書いてあった。

(えっ、まって、バターも乳化してるんじゃなかった・・・?逆に牛乳の水分が中に入っちゃうってことかな。。。(またあとで調べよ))

素敵なダンスを見つつ、記事を読むのに戻ります。

乳化剤の基本概念とエマルションタイプ
乳化剤の性質を表す指標として親水性-親油性バランス(HLB: Hydrophilic-Lipophilic Balance)値がある。名前のとおり乳化剤の水または油への親和性を示す数値であるが、1950年頃にGriffinが提唱したものである7。GriffinのHLB理論では、あらゆる乳化剤に0~20を割り当てている。
(中略)
ただし、系の組成(油水比)や物理的環境変化(温度など)によって、乳化剤のHLB値は変化する場合があるので注意しなければならない。

ん?それって、水のなかに油の粒ができるか、油の中に水の粒ができるかは、単純に量ではないってこと?HLB値が大切で、水や油の量はHLB値のパラメータでしかないってこと?

親水親油バランス
乳化剤(界面活性剤)の親水性と親油性の相対的強度を表す指標として親水親油バランス(HLB値)が用いられている。HLB値が大きいほど親水性の強度が強い。乳化剤のHLB値が大きいと水中油滴(O/W型)エマルションを形成しやすく、小さいと油中水滴(W/O型)エマルションを形成しやすい。

Wikipedia

えーっ、乳化、考えることめっちゃあるじゃん・・・

今回の料理の場合、何が乳化剤?

今回の「洋風酢豚」、材料は、

・豚肉
・竹の子
・小麦粉

(ソース)
・バルサミコ酢
・砂糖
・中濃ソース
・水
・バター

バターは最後に少しずつ加えました。さて、この中で何が乳化剤でしょう?

・・・

水と酢は混ざるし、水分だよね。

きっとバターが油脂で、水や酢と、バターを混ぜたいんだよね。

そうなると、砂糖かソース・・・?

砂糖は親水基と疎水基をもたない気がするし、じゃあソースの中の成分か・・・?

原材料名/
野菜・果実(トマト(輸入)、りんご、デーツ、その他)、糖類(ぶどう糖果糖液糖、砂糖)、醸造酢、食塩、アミノ酸液、醤油、酒精、香辛料、蛋白加水分解物/カラメル色素、増粘剤(加工でんぷん、キサンタン)、調味料(アミノ酸等)、(一部に小麦・大豆・もも・りんごを含む)

OTAFUKU中濃ソース

わからない・・・

しかも中濃ソース小さじ2しか入れないけど足りる・・・?

じゃあお肉にまぶした小麦粉が乳化剤の役割をしてる・・・?としたら純粋にソースだけ作って小麦粉が混ざらなかったら乳化しないのか・・・?


謎が深まりました。行き詰まったので実験してみることにします。何が乳化剤かは、一つずつ材料を試せばわかるはず!!

ゆーみるは乳化を成功させ、おいしい洋風酢豚をつくることができるのか?!

次回、実験結果を乞うご期待。


・・・つづく。



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