吃音症、吃音の原因と治療法に関して
この記事にいらっしゃった人は、「吃音」に何かしらの関心がある人だと思います。
・ご自身が吃音症
・家族・身近に吃音症の人がいる
・吃音って聞いたことがあるけど何?
などだと思います。
今回は、吃音症の原因と治療法に関して、2020年時点で明らかになっていることをご紹介いたします。
なお、私も吃音症(難発性)で、過去に取り組んだ治療の経験も一部ご紹介いたします。
吃音について
既に他のサイト、テレビ、本などで紹介されていますが、改めて「吃音」について説明すると、
「発音障害の一種。発音の際、第1音が容易に出ない、繰り返す、引き伸ばすなど円滑に話せない状態(広辞苑より引用)」
です。
吃音症の症状は3つあります。
・繰り返す :連発性 (例:あ、あ、ありがとう)
・引き伸ばす :伸発性 (例:あーーーありがとう)
・第一音が容易に出ない:難発性 (例:・・・・ありがとう)
とそれぞれに特徴があります。
初めは連発性から始まり、伸発性、難発性の順に症状が進行するようです。
詳細は、下記のリンク先をご覧ください。
国立障害者リハビリテーションセンター研究所H. P.「吃音について」
吃音の原因について
幼少期と青年期の時期によって、原因が異なります。
幼少期に発症する人が9割で、「発達性吃音」といわれます。
原因は、
・体質的要因(子ども自身が持つ吃音になりやすい体質的な特徴)
・発達的要因(身体・認知・言語・情緒が爆発的に発達する時期の影響
・環境要因(周囲の人との関係や生活上の出来事)
です。
また、特徴は、
・2~5歳の時期に発症する場合が多い(小学生以降に発症することもある)
・発症率は幼児期で8%前後
・男性が成りやすい
など、です。
青年期に発症する場合は、「獲得性吃音」といわれ、神経学的疾患や脳損傷などにより発症したり、心的なストレスや外傷体験に続いて発症したりします。
吃音の治療について
幼児期の「発達性吃音」は、7~8割が自然に吃音の症状が失われていきます。
※これは、残りの2~3割は症状が残るということです。
幼児期は成長途中のため、滑らかに話す訓練・経験を積むことで、脳内に「滑らかに話す」神経ネットワークが作られ、吃音の症状が失われていきます。
成長するにつれて、吃音の症状をなくすことは困難になっていきます。
成人の吃音は、症状をなくすことが非常に困難になります。
困難な理由は、症状の科学的な解明がされておらず、症状の根本的な原因が明らかになっていないからです(仮説はありますが、解明されていません)。
なので、現状は、症状を軽減するか、本人が吃音そのものを克服するかの2択になります。
症状の軽減は、主に、
・吃音が出ないように、話し方をコントロールする
・吃音の症状が軽くすように、話し方をコントロールする
などの方法がとられます。
極まれに、成人でも吃音が治ったという人がいます(急に吃音が出なくなったとか)。
ですが、万人にその治療方法や経験が合うかどうかはわかりません(その人にとっては良い方法だったといえるかもしれません)。
科学的に解明できれば、万人に適応できる治療法が確立できるかもしれません。
吃音症は〇〇科を受診
先ほどもご説明しましたが、幼児期であれば吃音症をなくすことはできます。
一方で、成人の吃音は、現状、症状を軽減するか、本人が吃音そのものを克服するかの2択になります。
具体的には、下記の科を受診してください。
耳鼻咽喉科、リハビリテーション科
科の名前は、病院によって異なりますが、吃音症への対応は同じなので問題ありません。
病院で実際に担当するのは、言語聴覚士の先生になります。
言語聴覚士は、言語能力や聴覚能力などを回復させるリハビリを行います。
病院では具体的に、言語聴覚士の先生から、吃音の出にくい話し方や呼吸法を教わります。
そして、教わったことを日々自分で取り組み、習慣化するまで訓練を行います(一例ですが、下記のリンク先より指導方法をご参照ください)。
国立障害者リハビリテーションセンター研究所H. P.「吃音の指導(治療)」
吃音症の治療は、日々の訓練が非常に重要です。
病院では方法を教わるのみで、実際に効果を出すためには自分自身で継続して取り組む必要があります。
そして、言語聴覚士の先生から定期的に診てもらうことで、症状の変化を確認しあっていきます。
なので、非常に長期スパンでの取り組みになります。
言語聴覚士の先生と定期的に会い、症状や私自身の捉え方の確認をします。
言語聴覚士の先生に診てもらおうとしたとき、必ず予約しなければなりません。
ですが、初診の場合は、予約が非常に取りづらいです。
土日では初診の予約を受け付けておらず、平日のみ初診の予約可といった病院もあります。
耳鼻咽喉科での体験談
私は、自身の吃音が気にならなくなったので、一旦保留となり、現在は通院しておりません。
なお、私の場合、初診から現在の保留まで1年は経っていました。
私が初診の予約をしたときは、3ヶ月後の平日に取りました(その日は有休を使い、会社を休みました)。
土日で予約を取ろうとしたら、さらに先になってしまうため、平日で予約をしました。
注意点
病院に耳鼻咽喉科、リハビリテーション科があっても、吃音症を診れる言語聴覚士の先生がいない場合があります。
また、仮に吃音症を診れる先生がいても、子供の吃音のみ可、といった場合があります。
成人の吃音を診れる先生は、現状非常に少ないです。
そのため、病院に耳鼻咽喉科またはリハビリテーション科があり、吃音の表記が合った場合は、成人の吃音も診れるのかどうかを必ず確認しましょう。
精神科、心療内科
吃音症の人は、吃音症が原因でうつ病や社会不安障害を併発する場合があります。
その場合は、まずうつ病や社会不安障害を先に治療しましょう。
心療内科での体験談
私は、プレゼンや就職活動の面接などの場面で大きな不安を感じて、吃ることが多かったので、薬で一時的になんとかできないかと思い、心療内科を受診したことがあります。
このときは抗不安作用のある「レクサプロ」を処方されました。
レクサプロは、確かに気持ちを落ち着かせますが、同時に頭もボーっとしてしまい、何も手につかなくなってしまいました。
なので、結局、薬は服用せずにプレゼンや就職活動の面接に臨みました(最終的に内定をいただけました)。
私には合いませんでしたが、症状に効果があるのであれば、薬を服用するのもありだと思います。
まとめ
吃音に関して、一般的な知識と私自身の体験をまとめました。
いまだ原因が解明されていない症状で、根本的な治療法が確立されておりません。
その理由としては、
・人によって症状の重さが違うこと
・人によって吃音の出る場面が違うこと
・日によって吃音の出る頻度が違うこと
・人によって捉え方が違うこと
など、人によって症状の差が違うことが考えられます。
ですが、吃音があっても、実生活ではなんとかしなければなりません。
特に、学校や職場のオフィシャルなところでは、プレゼンテーション(発表)、就職活動の面接、電話対応など、避けて通れない場面が多々あります。
吃音に関して知ることで、これらの場面に備えることもできます。
この記事が参考になれば幸いです。
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