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DIG

丼ものを食べるとき、どのように食べますか。

丼の器に対して、垂直に箸を勧める人、水平に、文字通り平らげていく人、上ものをよけて、下のごはんから食べる人、いろいろだと思う。

丼ものは、器の中で、ごはんの上に汁気のある上ものが乗せられているのがほとんどで、まるで地層のように、まっさらごはん、汁しみごはん、上もの、となっている。これを垂直、つまり縦方向に箸を入れていくと「掘る」という感じになって、口の中に運ばれるものは、その地層の各年代(?)の味をまとめて味わえる。

一方、平堀りする感じで水平に箸を進めると、おかず部分の上もの、汁のしみたごはん、そして最後に白ごはん、という順で口に入る。だんだん味が薄くなっていくし、白ごはんだけで食べ終えるのは、食事としてはあまり達成感がないように思う。

わたしの知人にこの平堀り派がいた。結婚の馴れ初めを聞いた。学食でその女性が親子丼を食べていたら、じっとそれを見ている男子学生がいたそうだ。そして、不思議そうな顔をして、「あの、どうして丼ものの上から食べるんですか」と聞いてきた。「はい?上から食べないで、どうやって食べるんですか?」と聞き返したら、「いや、そういうことじゃなくて」と話が続き、長々と話し込んでしまって、それ以来仲良くなったのだという。

堀る話として、これはオッケーなのかな。

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