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カステラ

カステラのレシピを聞いた。
どうぞと出されたカステラは、ふわっとした手触りだが、重量感があり、口に含むともっちりとした噛み応えで、卵の風味とコクのある甘さが広がる。
「ああ美味しい!」
その人は喜んでレシピを教えてくれた。わたしもこんな美味しいものが作れるのなら、と、家に帰って早速作ってみた。

失敗作ができた。
表面から1センチくらいは、カステラである。しかし、その下4センチくらいは甘い餅であった。食べられない味ではないので、お茶で流し込むと、
腹持ちは良かったが、似ても似つかぬ食感だ。

次も失敗した。
強力粉を切るように混ぜ、泡だてた卵を潰さないように細心の注意を払ったにも関わらず、表面から1.5センチくらいはカステラ風だが、その下は、またしても餅の様相である。その弾力は「歯ごたえ」というにはあまりに固かった。甘さを控えめにしようと、砂糖を少し減らしたのもいけなかった。味が全くしない。ほんのり甘い消しゴムを食べているようだ。

三度めの正直、というが、二度あることは三度ある、とも言う。
そんなわけで、やる気が起きない。いつか成功したらいいなあとイメトレをがんばってはいるのだが。

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