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夢の話

どういうわけか、トイレの夢をよく見る。たいていは、トイレが汚かったり、ドアや壁がなかったりで、用が足せない状況だが、昨夜の夢は違った。トイレは清潔で、どこも汚れてはいない。ドアもある。しかし、別のルールがあって、用を足すのがひじょうに困難だった。

なぜか、誰かを肩車をしていかなければならないのだ。

わたしは下半身に服を着ていなくて、パンツ一丁だ。それをカモフラージュするために、という理由だが、誰かを肩車をしたところで、わたしの下半身は隠れやしない。むしろ、悪目立ちするぶん、恥ずかしいし、肩に乗せた人が重くて、まともに歩けないから用が足せないじゃないか。

夢の中のわたしは、二人の女性と一緒にいた。わたしが「トイレに行きたいなあ」と言ったら、「いいよ」と二人が言って、どっちにする?と顔を見合わせた。わたしは軽そうな方の人に「おねがいします」と言ってから、彼女を肩に座らせた。そして重量挙げの選手が足元をふらつかせつつもバランスを取るように、わたしも両足を踏ん張った。立ち上がったところまでは良かったが、果たしてトイレまで歩けるのか。そして便座に座れるのか。その前にパンツを脱げるのか。さまざまな思いが一瞬にして脳裏をよぎった。

バランスを崩さないように注意しながら、一歩踏み出した。もう一人の女性が、「いいよいいよ。そのまままっすぐ」と声をかけてくれる。そうやって、どうにかトイレにたどり着き、真っ白な便座を見てホッとした。そこに座る。待て。まだパンツを脱いでいない。もう一度、中腰になって、それからパンツを下ろそうとするも、人に見られているような恥ずかしさ。肩に乗せた人はバランスを取りながら、頭をまっすぐ前に向けているので、わたしの下半身は見えない。しかし、道案内をしてくれたもう一人の女性からは丸見えのはずだ。これは無理。それに重いし。

だが、次の瞬間、わたしは用を足していた。水分が体から出て行き、スッキリした気分で一息つき、トイレットペーパーに手を伸ばす。あれ?届かないじゃないか。「あ、わたしがやるよ」と肩に乗せた人がガラガラと引き出して取ってくれた。どうやってそれができたのかわからないが、わたしは再び立ち上がって、水洗レバーを引いていた。

ところが、である。またすぐに尿意を感じるのだ。「もう一回」と、同じ工程を踏む。スッキリしたかと思ったら、またすぐトイレに行きたくなる。これを3回も繰り返して、目が覚めた。危うく、おねしょするところだった…のかもしれない。わたしは慌ててトイレに駆け込んだ。

でもなんで、肩車なんかしなければならなかったのか。謎だ。





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