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記憶をつなぐもの

本日正午をもって、メーリングリストのサイト「freeML」がサイトを閉じた。

メーリングリストだけが連絡手段ではないが、仲間をつなぐもののひとつとして、その役割を担っていたことには間違いない。わたしが利用していたのは、幼稚園の保護者会役員、土曜日だけの小学校「シュタイナー土曜学校」の保護者会の2つのグループ。しかし、最近はどちらも機能していなかった。

幼稚園や小学校を卒業してしまうと、生活圏が変わってしまうので、連絡を取る必要がほとんどない。スマホの普及で連絡方法も変わって、グループLINEを使うようになったし、会おうと思えば連絡する方法はまだ残っている。正直、メーリングリストがなくなっても別に問題ない、と思っていた。

だが。共有アルバムを開いてみると、幼稚園時代や小学校時代の、ムスメやお友だちがそこにいた。笑顔も、泣き顔も、おどけた顔も、何気ない仕草も、どれもこれも「あの時だ!」と思い出せる。そして、この時こんなこと言ってた、こんなもの食べてた、とムスメのことも思い出すけれど、自分自身のこともセットで思い出す。

幸せだった時間。そこは本当に居心地がよく、嫌なことがあったとしても必ず誰かが寄り添ってくれた。わたしも、先輩たちにアドバイスをもらったり、刺激を受けたりして、失敗もたくさんしたけれど、たくさん褒められもした。そして今よりもまだ若く、体がよく動いた。無理もできたし、いろんなことにも挑戦できた。ああなつかしい。

その時代をともに過ごした人たちとの縁が切れるわけではないが、この共有アルバムが消えてしまうのか、と思うとちょっと切ない。

それらの写真を少しダウンロードして、自分のパソコンに移してはみたが、あらためて見てみると「メーリングリストのグループ」という場所にあった時とはまるで雰囲気が違う。同じ写真なのに、記憶がバラバラになった気がした。

ブラウザの中にある「役員グループ」や「保護者グループ」という「箱」に詰められていたから、全体の雰囲気まで一気に思い出すのかもしれない。その箱は「仲間」というくくりだ。

freeMLが閉鎖されてしまって、そこに行けば会える、という場所が今はなくなってしまった。そんな感じがする。

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