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毎日毎日、見た夢のことを書いている。生産性やリア充とは無縁の話だ。

わたしの友人は駆け出しの女優の母である。その母娘の家に遊びに行ったら、たったいまスーパーで買い物をして来たんだよと言う。袋の中は、イカ4はい、刺身盛り合わせパック、レバー(彼女たちはフィッシュベジ生活をしているので、レバーは食べないはずだが)、クリームチーズ、野菜、お菓子などが入っている。そして「これから北海道に行かなくちゃならないので、これ、あなたの家の冷蔵庫にしまって置いてくれる?」と頼まれる。いいよ、と答えて彼女たちを見送った。わたしは帰る前にどこかの家電量販店に寄って、買い物をした。

翌日、家でぼんやりしていると、ハッと気づく。彼女に預かった買い物袋をわたしは家電量販店に忘れて来ている。慌てて行って見ると、袋はあったが、常温で一日経っているため、生鮮品は全て食べられなくなっている。そして、わたしはそれを弁償することになった。

傷んだ食品の入った袋を持って歩いていると、仙人みたいにあごひげを長く生やした老人が、厳しい顔をして周囲に指示を出している。街はゴミだらけだ。ゴミの大半は、木くずや笹の折れたもので、水害でもあったのだろうかと考える。「ゴミを収集して、デパートの屋上に上げなさい」と老人は厳かに言った。どうやらここは鹿児島のようだ。シトシトと雨が降り、老人はフード付きの雨合羽を着ている。

屋上には大量のゴミと雨水が溜めてあり、一箇所、漏斗のような穴が大きく空いている。その先はブルーシートで作られた筒が取り付けてあって、どうやらここに集められたゴミは、筒を抜ける時に水と燃えるゴミ、燃えないゴミに分別されるらしい。巨大なゴミ分別装置だったのだ。茶色い水と一緒に木くずなどのゴミが渦を描きながら吸い込まれていく。その穴に吸い込まれないように、わたしは壁にしがみつく。しかし、抵抗むなしく、わたしは吸い込まれた。ブルーシートの筒の内側は外光で明るい。その青く薄っぺらな空間をわたしは滑り落ちていく。8階くらいの高さから一気に落ちたにしては、無傷で地上にいた。わたしはゴミとして分別されたのか、それともゴミ以外として放り出されたのか。目の前の歩道橋を路面電車がくぐり抜けていく。

見上げたら、さっきまでの雨は上がって、デパートの上には青い青い空が広がっていた。



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