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緩みと緩め

三学期が突然、昨日で終わってしまった。厳密に言うと、今日は普通の土曜日だから、休校ではない。

しかし、部活のスケジュールに一年中支配されているムスメからは、
「やったああああああ!!!休み!!!!」という意気込みが感じられる。午前11時を過ぎても、全力で寝ている。ここから出なければ安全だとわかっていると、人はここまで緩むものなのか。

わたしたちは目に見えない不安要素と同居している。わたしの場合はチェルノブイリの事故以来、その色が濃くなった。ただ、911も117もサリンも311も、その時にはパニックみたいになるけれど、やがて日常に流されて忘れている時間が長くなる。HIVもエボラもデング熱も、海外でのことだと思っていたからのほほんとしていた。

今度は違う。戦々恐々とする世の中で、必要以上に不安にならず、油断し過ぎないように生きていかなければならない。家族を守らなければならない。

「アイスでも食べようかな」と、オットがふと思い立って、スーパーに買い物に行った。戻ってきたら、7枚入りのマスクの袋を取り出した。どこで買ったのかと尋ねたら「スーパーに少し在庫があった」という。お一人様一点限りだったよ、と聞いて「ほんと?今から行って間に合うかな?」とわたしが色めきたったら、オットは「他の人に譲ってやれよ」とつぶやいた。

ああ。すみませんでした。重度の花粉症のオットは、一枚でも多くマスクが欲しいだろうに、この心のゆとり。わたしも救急箱に一枚残っていた布のマスクを洗いながら使うとするか。異常事態の緊張感でガチガチになっている自分の心を少し緩めていこう。まだ感染しているわけじゃない。

しかし、それにしても緩みきったムスメはまだ起きてこない。は〜。




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