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はなせば

今日の夕食は「キムパ」と「サムギョプサル」と「中華ちまき」「肉まん」「卵焼き」であった。「わかめ」のスープも付けた。「なんで今日は、こんなメニューなの?」とオットに聞かれたので「話せば長いことながら…」と言ったら「手短に」と言われてしまった。

なんでかな。世の中みんな忙しいみたいだけど、ゆっくりわたしの話を聞いてくれる人はいないのか。夕食の席で、家族が何か話そうとしている。それを聞く前から「手短に話せ」と言うのは、あまりにセッカチというか気短かというか無関心というか。

よく「結論から話せ」と言われるのだが、家庭は仕事場ではない。なんでもかんでも、簡潔に手際よく無駄を省いた会話を心がけていたら、「余韻」とか「機微」とか、そういう不確かだけれどそこにあるものを削られてしまう。味気ない。

「いや、短文の中にニュアンスを込めて、核心を突く。それこそが粋な会話ではないか」とか言われてもな。

「命に別状はないけど大変なこと」があった時、目の前で起こった雑多な情報をモリモリに加えて、全部話したいことってあるじゃないか。「あー、それは大変だったね」くらいの感じで聞いてほしい話があるじゃないか。

アドバイスが欲しいわけじゃない。ただ聞いて欲しいだけだ。そして、「それは災難だったなあ」と言ってくれればいいのだ。話の内容について、批判的な言葉は欲しくない。たとえ失敗でも、わたしは最善を尽くして帰ってきたのだから。

そんなわけで次回から、長くてどうでもいい話を書く。…かもしれない。


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