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どくしょ

読書会に参加したくて頼んでいた本が届いた。分厚い。462ページもある。参加するには読了が条件なので、せっせと読まなければ。

『フィフティ・ピープル』50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。韓国文学をリードする若手作家による、めくるめく連作短編小説集。

帯にそう書いてある。50人のドラマ…面白そう。そして、本を読み始めてすぐに、わたしは気づいてしまった。いや、気づいていたが、ずっと忘れようとしていることを思い出してしまった。

わたしは本を読むのが苦手なのだ。一冊を読み終わるのに、すごく時間がかかる。なぜだかわからないのだが、本を読んでいると、他のことを考えてしまう。同じ行を何度も読み返す。そして、何度も読み返すのに、覚えていない。数行、読み飛ばすこともある。つじつまが合わないというか、ストーリーの流れがわからなくなって、後戻りすると「あ、ここを読み飛ばしてた」というところを発見する。ある程度まで読むと、忙しくなって置きっぱなしにしてしまう。そんな本が何冊もある。図書館で借りても、読み終わらずに返す本の多いことよ。

だが、自分の記憶では、小学校からずっと読書が好きだったし、独身の時は、雑誌も、本も、漫画も、結構な量を読んだと思う。本が読めなくなってきたのは、子どもが生まれてからだ。

読み始めると、眠くなる。ぼんやり他のことを考えてしまう。少しも落ち着かない。多分この15年間で、ちゃんと本を読んだのは10冊にも満たないのではないか。そんな自分が文章教室で小学生に「もっと本をよめ」とか言ってる場合じゃないな。

さて。50人の人生。全部読めるだろうか。


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