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スライム人間模様

昨夜、寝落ちしながら作ったスライムは、無事に文章教室で日の目を見た。小学校低学年クラス、つまり1〜3年の作家のたまごちゃんたちには、大好評。

今回は、相方の企画だ。「観察し、触れてみて、想像を膨らませる」
わたしはその材料を作っただけにすぎない。むしろわたしの方が、その子どもたちを観察し、触れてみて(実際には触れないが)、想像を膨らませる。楽しい時間だ。

「わー!スライム!」と喜ぶ子もいれば、「ああ、スライムね。知ってる」と冷めた口調の子、ただまじまじと見つめる子、その反応の差は何だろう。

「まず、触らずに、観察するよ。どんな見た目?どんな感じ?」の質問に、「つるん」「ペロン」「どろん」「ねば〜」「海みたい」「つぶつぶの空気がきれい」「レモンジュースみたい」

選ぶのも楽しそうだ。「きいろ!」「青!」「青!「青!」「むらさき!」どうやら青が人気のようで、赤系は誰も手をあげなかった。人気の色はジャンケン争奪戦になるが、負けてしまった子が半泣きでじっと欲しかった色のスライムを見つめていた。それを見たジャンケンに勝った子が、「やっぱりわたし、そっちの色の方がいい。交換して!」と申し出た。ええ子や。

「じゃあ、触ってみて!」それはもう、大騒ぎになった。「わー!ドロドロ」「つめたい」「だらーん」「わー、薄くなるよー」「ちぎれたー」「助けてー!手にくっついて取れない!」

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ひとしきり盛り上がった後で、それぞれのスライム物語を書いてもらった。

帰り際、「ぼくはこれ、持って帰りません!」と突き返してきた子がいた。「あら。いいの?」「はい、お母さんが絶対ダメだって言って、捨てるから。だから持って帰りません」

なるほど、キミには前科があるってことだな。心の中で笑ってしまった。

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