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かけない

家と職場の往復で、毎日同じことの繰り返しだ。特に書くことがない。

オットはリモート勤務だから、日中はパソコンの前にいることが前提で、通勤していた時のように歩くこともなくなったし、人に会うこともない。今日は出社をする日だったそうで、「久しぶりだったし、せっかくだからあちこちに行って、2万歩は歩いた。足の裏にマメができて、皮が剥がれた」と汗だくで帰ってきた。

どういう歩き方をしているのか知らないが、オットの靴下と靴底には、すぐに穴が開く。まあ、その話はまたいつか。

オットは帰ってくるなり、今日見たことやあった人のことをどんどん喋り始めた。「会社で○○さんと会ったよ。最初はお互い、誰だかわからなかった」とか、「新天町のこっち側のビルがなくなっていたんだけど、あれ、なんだっけ?」とか、楽しそうに話していた。

しばらくして、「あ、そうそう」と言って、説明を始めた。ジュンク堂に行ったらしい。出入り口はガラスの扉である。オットは右側の開きっぱなしのドアから出ようとしていた。自分の斜め前をスタスタと歩く若い女性は閉まった左側のドアの方に進んでいた。割とスピードがあって「勢いよく歩くなあ」と思っていたらしい。すると、ドォンという音がしてガラスのドアに激突した女性が跳ね返ってきたそうだ。女性は「痛い…」と顔を押さえいた。

「俺はさあ、どうすることもできないから、開いてる方のドアから外に出たよ」。確かにおっさんから「大丈夫ですか」と聞かれても「大丈夫です」と言うしかない。「さすがに、血塗れでぶっ倒れてたら救急車とか呼ぶけどなあ。あれは痛そうだったけど、俺の出る幕はないと思ったよ。気の毒だったけどね」とそこまで話したら、満足げに立ち上がって食卓から離れた。

ねーねー、今日さあ、こんなことがあってさあ、みたいな話をする人がいるのはいいことだ。聞く方も気分が上がる。オットも「たまに外に出ると刺激があるなあ」と機嫌が良かった。

書くって、そういうインプットが必要だな、と今更ながら思う。



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