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まふらー

子どもの頃から、マフラーをうまく使いこなせない。だから上手に巻いている人、似合っている人を見るとすごくうらやましい。

ドラマ「ゴシップ」の黒木華さんのグリーンのマフラーがすごく好き。分厚く長いマフラーを無造作に巻いているような雰囲気なのに、毛糸の編み目が流れるように首元に収まり、とてもスッキリ見える。よく見ると、首元の色と、結び目のあたりの色がグラデーションになっているのもステキ。

マフラーといえば、わたしが子どもの頃の少女漫画の主人公は、クリスマス前だとかバレンタイン前だとか受験の前とか、憧れの先輩にマフラーを編んでいた。編み物初心者なのでガタガタした不揃いの編み目を気にしながら、それでも果敢にラッピングをして、プレゼントしていたり、しそびれたりしていた。先輩はそのマフラーを巻いて受験会場に行ったり、合格した大学に行くために上京したりしていた。

わたしには、そんなマフラーのエピソードはない。ただ、実家の押入れを片付けていたら、父の荷物の中から手編みのマフラーが出てきた。たぶん、わたしが編んだものと思われる。全く覚えていないのだが、あの家でマフラーを編みそうなのはわたししかいない。しかも、父にマフラーをプレゼントするなど、わたしくらいしか考えられない。もし別の人だったら大問題である。

自分が作ったものをこんなにも忘れてしまうものなのだろうか。いや、本当にあれはわたしが編んだのだろうか。謎だ。そんな感じで、わたし自身は今はすっかり忘れているけれど、何か超大作を作ったりしていないだろうか。すごく美しい絵とか、精巧な木工家具とか、鉱石ラジオとか。

最近、覚えられず、思い出せず、記憶のパズルがちっとも合わないことが増えてきた。マフラーの話がなんでこんな着地に?謎だ。

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