元気になりたい

数名の患者さんたちと、グラウンドに散歩に出ました。

散歩中に患者さんのAさんが「師長さん、元気が出ないんです。どうしたらいいですか?」と、わたしに話しかけてきました。

わたし「そうですか。~中略~  Aさんはわたしが元気に見えるのですか?」

Aさん「師長さんは元気に見えますよ。」

わたし「どういうところが、元気に見えますか?」

Aさん「姿勢もいいし… よく笑ってるし… 声も大きいし…」

Aさんは猫背で、あまり笑顔は見られずに小声でした。Aさんにとっての元気は、姿勢、表情、声がポイントみたいでした。

わたし「わかりました。一緒にわたしの真似をしてみませんか?」

Aさん「え…」

わたし「まずは胸を張って〜」

Aさんは姿勢を正しました

わたし「作り笑いでいいですよ。口を大きく開けて~」

Aさんは口を大きく開けました。

わたし「そして、大きな声でハハハハハと言ってみましょう!」

Aさんは「ハハハハハ」と大きな声を出しました。

Aさん「恥ずかしいですよ~」

わたし「大丈夫。誰も気にしていませんよ。もう一回、一緒に ハハハハハ」

Aさんは姿勢正しく、口を大きく開けて「ハハハハハ」と大きな声を出しました。

すると、他の患者さんたちも離れたところから「ハハハハハ」と笑っていました。

それを見たAさんは「みんなもやってますね。ハハハハハ」と笑い続けました。

最後には、Aさんも他の患者さんも一緒になって、みんなで笑いました。

Aさんは「元気になりました!」と穏やかな表情をしていました

元気に感じたり、感じなかったりするのは、自分自身のちょっとした気持ち次第のときがあります。

Aさんは、わたしに元気になりたいと求めた時点で、すでに気持ちに変化があったのかもしれません。

これからはAさんがセルフで元気になれる方法を練習していきたいです。

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