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『16歳のわたしが一番欲しかったもの。それはミ・ジェーンの花柄レギンスや、裾にレースのあしらわれたピンクフラミンゴのデニムショートパンツではなく』トーキョー’90クロニクル vol.2

16歳のわたしが一番欲しかったもの。それはミ・ジェーンの花柄レギンスや、裾にレースのあしらわれたピンクフラミンゴのデニムショートパンツではなく、もちろんトパーズの指輪や、そして彼氏でさえもなく、ポケットベル。通称ポケベルと呼ばれる小型の無線受信機でした。

まだ携帯電話は高価であり、ほとんど普及していなかった当時、東京の高校生たちが、互いに連絡を取る手段といえば家電や公衆電話、そしてポケベルしかありませんでした。

今となっては、ポケベルなど、その実物すら見たことがない、という方のほうが多いと思います。なので念のために、使い方を説明すると、電話回線から相手の持っているポケベル番号に発信。すると、その相手の液晶端末に、自分の番号が通知されるという仕組みです。

が、しかし、当時の高校生の間では、また違った使い方がなされていました。数字を使ってポケベル上で会話をする文化です。今でいうLINEやSMSのようなものでしょうか。しかし、むろん、ポケベルは数字しか表示できないので(ただし、数年後には、このニーズを汲んだ、日本語表示が出来るポケベルが発売されます)、このような形です。

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