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『silent』で涙活

涙活とは、離婚式の考案で有名な寺井広樹さんが作った造語。涙を意識的に流し、心のデトックスを図る活動を言います。

今回ピックした記事にもあるように、上手に涙活するコツは、
⑴週一回くらいのペースで
⑵入浴後などリラックスタイムに
⑶自分の泣きのツボにあう作品で
楽しむこと。


この秋始まったドラマ『silent』は、毎回知らず知らずに涙腺崩壊。泣きのツボがぴったりハマると確信、涙活の友にしようと決めました。

あらすじは、、、
川口春奈さん演じる主人公の青羽紬(あおばつむぎ)が高校時代に恋人だった目黒蓮さん演じる佐倉想(さくらそう)と、音のない世界で再会するラブストーリー。

紬は、高校卒業後、想に突然フラれたあと、鈴鹿央士さん演じる想の親友、戸川湊斗(みなと)くんと付き合っていて、再会を機に3人の関係が変化していきます。


脚本家の生方美久さんのデビュー作『踊り場にて』とも共通するのですが、生方さんが書くドラマの魅力は、セリフが美しく、登場人物一人ひとりが輝いている。単に主人公を輝かせるための駒のように脇役扱いされていないのが、いいな、と感じます。


第3話では湊斗くんの心の揺れ動きを泣きポイントにして描かれていましたが、湊斗くんを主人公にしたドラマであっても成立しているなと感じる程、丁寧で、細やかな展開、構成でした。

湊斗くんがどんな風にして紬と付き合うようになり、再会後、耳が聞こえなくなってしまっていた想に対して、どんな思いでいるのか。


社会人になったばかりの回想シーン。
同窓会の後、二次会を断って帰っていく紬を湊斗くんが追いかけていくと、紬はファミレスで、ノートPCを前に無茶振りされた仕事を健気にこなそうとしている。棍詰めて頑張りすぎている紬に、湊斗くんは「猫、犬、仲良し」で検索して待ってて、と言ってドリンクバーに行く。


ジュースをいくつか持ってくると紬はわがままっぽく、「コンポタが良かった」と言う。見ている視聴者は、第2回でも湊斗くんは落ち込む紬を励ますために「コーヒーとココアどっちがいい?」と聞き、紬が「コンポタ」と答える場面を思い出すことに。そっか、湊斗くんのコンポタ常備の優しさはこの時のやりとりがきっかけだったんだね、と納得させられる。


高校時代には背後から「想!」と呼びかけると、聞こえないフリをして振り向かずにいたりして仔犬のようにふざけっこしていた想。再会した今、ソファに座る想の背後から「想、ビール飲む?」と話しかけても、かつてのように振り向いてはくれない。


紬は聴こえなくなった想をあっさり受け入れ手話を習ってコミュニケーションしようとしているのに、自分はまだ、辛くて悲しくて、悔しくて、気持ちが整理できずにいる。苛立つ湊斗くん。


過去と現在。紬、想、湊斗くん。対比して描かれる場面、関係一つ一つに、色んな思いが込められていて、物語の中にすっかりどっぷり入り込んでいます。


個人的には子育て中の母として、篠原涼子さん演じる想のお母さんの言葉や態度にも、自分を重ね合わせて共感。次回以降、お母さんの回もあるんではと期待しています。


今回ピックした記事中の韓国ドラマ群と同じくらい、心地よい涙が流せるので、『silent』おススメですよ^ ^

※日経クロスウーマン アンバサダーブログより転載

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