高卒の壁＃2「思い立ったが吉日」

内申ボロボロの息子が、中一最後の試験で学年最下位になり、、駆け込み寺的に入った塾で英語に目覚め
アルファベットから始めて中学卒業前に英検二級に合格！学力テストでは満点をとり、英語だけ偏差値74！
それが評価されて、ある私立高校に入ることができました。できたのですが、、そこには息子の「高卒」への大きな壁が待っていました。
この壁乗り越えられるのか？
高校からは今までよりも距離を置いて見守ろうと考えていたのですが、、そうもいかなくなってしまいました。

前回は入学して間もなく脱落してしまい、私たち親子はこの学校から逃げることを決めたという話でした。

6月
まずは担任の先生に我が家の決定事項、転学に必要な書類とスケジュールを早めに伝えておきました。色々チクチク言われましたが、そんな事はどうでもいい！事務処理だけが上手くいくことだけを考え、平身低頭を貫きました。

転学試験を受けるには、8月末までは今の学校に籍を置かせてもらわないといけません。その点も先生に伝えておきました。
転学試験の願書を出す際に、今の学校の8月末付退学証明書が必要な為退学手続きも並行して進めます。なので、もし転学試験に不合格の場合息子の戻る場所は無く、9月1日からの行先が無くなってしまいます。

この綱渡り感いつまで続くのでしょうか。
寿命がどんどん縮んでいく、、
まだ入試情報が公開されていないうちから、入念に情報収集をしました。
出遅れないように、漏れが無いように、、、
転学アドバイザーになれそうな情報量でした。

我が家の一番知りたかった事、それは今の学校の成績が引き継がれてしまうのか否か。赤点7科目の単位は次の学校でどう扱われるのか。
受験する学校はまだ決めていなかったものの、家から通えそうないくつかの都立高校に問い合わせしてみました。どの学校も回答は同じでした。

「1年生9月入学に限り、出席日数だけ引き継がれ試験の点数や成績は引き継がれません。転学してから年度末までに基準に達すれば4月から入学していた生徒たちと同じように単位がもらえます。」

都立の転学制度、、、神。
息子はどんなに授業についていけなくても毎日通学していましたので、出席日数だけしか見ないなら超優秀です。
1年生8月以降の転学試験だとそうはいかず、前の学校の単位が引き継がれたり、修得した科目によって受験可否を事前に各高校に確認してもらう作業が必要になるそうです。

恥ずかしいくらいのスピードで転学を決めたことが吉と出ました。
また一からやり直せる！！
あとは学校を決めるだけでした。

普通科にするか、定時制にするか、通信制にするか、、、
我が家の目標はただ一つ「高校卒業」となりました。
高校受験の時は息子が入れる中でなるべく上の学校を選んでしまったのですが、英語以外の科目でも単位がもらえるように転学先は家から通える中でなるべく偏差値が低い学校を狙うことだけは決めていました。

7月の頭に発表された募集の中で受験校を絞っていた頃、高校受験でお世話になった塾の先生からたまたま電話がきました。
状況を話すと、先生から思いがけない提案がありました。

「息子には普通科でも通信制でもなく、チャレンジスクールはどうかな。発達の特性も考慮してくれるらしく、きっと息子にとっても過ごしやすいから調べてみるといいかもしれない。」

チャレンジスクール？初めて聞きました。
中学校で不登校だった子、発達に配慮が必要な子等個々の事情に寄り添ってなるべくたくさんの生徒の高校卒業を支援してくれる定時制単位制の学校でした。

息子に良さそう！
しかも都立って、、、やり直し家族には経済的に非常にありがたいです。
息子にも全ての選択肢について伝え、選ばせた結果チャレンジスクールにしたいということになりました。
、、、高校を選ぶ時に先生と私はそういう私立の高校を息子に勧めて見学にまで行ったことを思い出しました。　
当時息子は自分の特性が受け入れられず、英語が伸びてきたことと周りの目を気にして普通科の私立高校に入ることにこだわってそれを押し通しました。
遠回りをしましたが、今回は息子も納得したうえでの変更なので「これで良かったんだ」と必死に自分に言い聞かせました。
納付済の高い入学金やら、何やらで私はモヤモヤしてたので。

転学試験は受験日が被らなければ何校でも受験できるそうです。
早速家から近い順で二校の学校見学に行き、第一志望と第二志望を決めたのですが、、、受験日程が第二志望→第一志望の順だった(結果は当日出て、合格すると辞退不可)ので非常に怖かったのですが第一志望だけ受けることにしました。

他の学校と違いチャレンジスクールの試験は、学科は無く作文と面接のみでした。
試験は午前、結果は午後学校に掲示されます。
ドキドキしながら見に行くと合格。
これで路頭に迷わずに済みました。
（不合格の場合のことも考えていて、その時は高卒認定試験を目指そうと息子と決めていました。）
帰りはゲリラ豪雨に遭いましたが、その日だけはどんなに濡れても全然気になりませんでした！

それでも8月末までは私立高校の生徒です。
お高めの積立金を充てられた夏休みの旅行にもちゃっかり参加し、仲良くなれた友達と最後の思い出作りをしました。

つづく