独占欲

私の彼は私のことが大好きだ。
もちろん、私も彼のことが大好きです。

昨日の夜、突然彼が私の愛情表現が少なくなったから寂しいと言い出した。私の中で彼を想う気持ちは1ミリも減ってやいないし、正直そうかな?と首を傾げてしまった。今この瞬間だって彼のためなら人も殺せるし、死ねると思うくらいには大好きなのに…。彼は私のことをからかうのが好きなので、大袈裟にそう言って私を困らせたいだけなんじゃないかとも思った。でも話を続けていくうちにどうやら本当のことらしかった。

しばらく趣味にかける時間がなくて家にいるときといえば彼と通話するか寝るくらいだった私が、最近ゲームにハマっている。それもどうやら不安要素らしかった。ゲーム自体は1人で黙々とやっているのだがオンラインゲームなので、時々友達が混じってきたりする。そこで通話したりはしていないけれど多少Twitterなりで「遊んでくれてありがとう」程度のリプライのやり取りはすることもあるが、それですらきっと気がかりなのだろう。

とあるゲームのキャラクターがかっこいいと言えば二次元だろうと「うつつを抜かしている、そいつに嫉妬する」と言われてさすがに笑ってしまった。そういって私をからかっているだけで実際はそんなことに嫉妬なんてしないでしょう?と勝手に決めつけてしまったが、どうやら彼は本気らしかった。俺が今までに嫉妬に関することで冗談を言ったことがあったか?とまでお叱り付きで。

私の全てを支配したい、彼はそう何の躊躇いもなく言い切る。素直に嬉しいな、愛されているなと感じる。でもきっと他人によっては束縛が強くて無理だとかウザイだとか重いだとか言うんだろう。恋人が自分に盲目になっている状態ほどの優越感なんて他に無いのにね。

続けて冗談か本気なのか分からない声色で彼はもっと愛して、好きと言って、という。その場では可愛いなあと綻んでいたが、後になってその素直さが羨ましいとも思った。私にその素直さはない。思ったことを口に出来るほど私は自分に自信がない。謙遜してしまう。私なんかが、と。それと同時にこの羨ましいという感情が彼を魅力的にもさせるんだと思う。自分に無いもの、隣の芝生は青いように、彼の持っている性格、そのすべてが私にはとても羨ましく思えたんだ。一生をかけても手に入れられないソレが、あまりにも眩しくて…。どんなに憧れて、演じたり、努力して得ようとしても手に入らないものがこの世には腐るほどある。そして私がもっている何かをまた他の誰かは欲している。みんな無い物ねだりなんだ。我儘なんだ。

でもしばらくは、この優越感に浸らせて。
不安になってる貴方があまりにも可愛すぎたの、ごめん。
可愛くて可愛くて、どうしようもないくらい。

もっと私を求めていてね、大好きだよ。

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