産後の救世主。シンガポールでの産褥ナニーさんとの生活
2023年7月にシンガポールで第二子を出産した私にとって、産後なくてはならない存在だったのが「産褥ナニー」さん。
私は住み込みで産後1ヶ月(28日間)お願いしたのですが、産後のボロッボロの時期に、料理や洗濯、簡単な掃除といった家事はもちろん、授乳以外のほぼ全ての赤ちゃんのお世話(夜間も含む)もまるっとお願いでき、本当に頼りになる存在でした。
この記事ではそんな産後の救世主である産褥ナニーさんとの生活について、まとめています✏️
(※記事の内容は私個人の体験・感想であり、ナニーさんによって得意・不得意やカバー範囲は違っていることをご了承ください🙏)
産褥ナニーさんの探し方
不妊治療中の段階から「無事に妊娠・出産ができたら、産褥ナニーさんを雇おう!」と決めていた私(気が早すぎる😂)
つわりで動けない間、ベッドで産褥ナニーさんにまつわるブログを読み漁り、「英語を話せるナニーさんは少ない(中国語話者が多い)ので、早めの予約が吉」ということを学んだことから、出産7ヶ月前からエージェントを探し始め、出産半年前には予約を完了しました。
産褥ナニーさんはエージェント経由でお願いしたのですが、どのエージェントにするかは在星日本人の方のブログを参考にさせていただき、
の2社とオンライン面談を行いました。
ちなみに両社ともエージェントの担当者と面談したのみで、ナニーとの事前打ち合わせはできず。どのナニーが来るかは派遣直前(2日前とか)までわからないという形でした。
結局、我が家に来てくれたのは中華系マレーシア人の60代前半?くらいのナニーさん。5人子どもがいるという大ベテランです!
中国語ネイティブではありますが、「英語話者希望」のリクエスト通り英語も問題なし。でも決して流暢というわけでもなく、シングリッシュともまた違う独特の訛りがありました。
両社ともレスポンスが早く料金体系もサービス内容もそこまで変わらなかったので、どちらにするか悩みましたが、案内メールを日本語でも送ってくれた(おそらくDeepL等の機械翻訳だけど😂)「Super Nanny」の方に今回はお願いしました。
自分は後から気づいたのですが、エージェントのGoogle Mapレビューに詳細な口コミが多数載ってるので、これから検討される方はGoogle Mapを参考にされるのも良いかもしれません。
産褥ナニーさんとの生活
出産が終わればいよいよ産褥ナニーさんとの生活が始まります。ナニーさんには退院後の午後から早速来てもらうパターンが通常なようですが、我が家は退院日まで日本から弟がヘルプに来てくれていたので、退院翌日からお願いしました。
実際、自分たちだけで赤ちゃんのお世話をするのはたった一日でも産後の身体にはかなりハードで、夜も赤ちゃんのちょっとした寝息が気になって私も夫も1時間おきくらいに起きてしまい、産後メンタルも相まって不安で涙が出たのを今でも覚えています…
ただそんな一日を過ごしたおかげで、産褥ナニーさんへの感謝の念はより深まった感がありました😂(後述しますが、やはり初めて他人との共同生活には多少なりのストレスもあり、ナニーさんに帰ってもらおうか…とよぎったこともあったけど、この日を思い出して思いとどまった)
と、前置きが長くなりましたが、待ちに待ったナニーさんとの生活。一日の流れはこんな感じでした👇
📝タイムテーブル
8:00 筆者起床、ナニーさんが朝食&ロンガンティーを作ってくれる
9:00 授乳・筆者のお風呂
💭産褥期の入浴に厳しいナニーさんもいるようなのでドキドキしてたのですが、我が家のナニーさんは日中のシャワーはOK(洗髪も含む)というスタンスでした。夜入るのと日中入るのとで何が違うのかは結局よくわからなかったけど…😂
10:00〜11:30 私が産褥マッサージを受けてる間、ナニーさんが赤ちゃんを見てくれる
💭産後1週間ほど、こちらもシンガポールではメジャーな「産褥マッサージ」を自宅で受けていました。マッサージ中に赤ちゃんが泣いてもナニーさんが見てくれるので、マッサージに集中できてとても良かったです。
12:30 授乳・昼食
13:00〜14:00 筆者の昼寝
💭夜もナニーさんのおかげでそれなりにまとまって眠れていましたが、昼寝もすることが多かったです。
14:00〜16:00 ナニーさんの休憩時間
💭時間は前後すると思うのですが、おそらくどのエージェント経由で産褥ナニーさんをお願いしても(住み込みの場合)「2時間は母親が赤ちゃんのお世話に専念して、ナニーさん一人で休憩する時間を与えてほしい」と言われると思います。
この時間は私が赤ちゃんのお世話をして、ナニーさんには自室で休憩・仮眠をとってもらいました。(逆にいうと、親が赤ちゃんのお世話の主導権を握るのはこの2時間だけだった)
16:30 赤ちゃんの沐浴
💭沐浴も基本的にはナニーさんがやってくれます。最後の一週間は自分たちでも沐浴できるようにするため、ナニーさんに見てもらいながら自分たちでお風呂に入れたりもしました。
18:30 夕食
💭赤ちゃんのお世話をしながらも、手の込んだ栄養たっぷりの夕食を毎日作ってくれました。
もちろん夫や長女の分も作ってくれ、配膳や後片付けもナニーさんが全部やってくれます。
20:00 ナニーさんのシャワータイム
💭夕食の片付けが終わった頃、ナニーさんがシャワーを浴びます。
21:00 ホットミルクを作ってくれた後、ナニーさん就寝
💭我が家のナニーさんは寝る前によくホットミルクを作ってくれました。それを作った後、ナニーさんは自室に戻って就寝したり、家族と電話したりしていました。
ただ「就寝」といえど、我が家はベビーベッドをナニーさんの部屋に置いていたので、これ以降も赤ちゃんが泣いたらナニーさんがお世話してくれていました。
23:00 授乳・就寝
💭このあたりの時間に授乳を済ませたら、私も寝るようにしていました。
(2:00 赤ちゃんがお腹を空かせる)
💭このタイミングでは私は起きずにナニーさんにミルクをあげてもらうことが多かったです…(ナチュラルに泣き声が聞こえず寝続けていたことも多々)
胸が張って眠れない場合には起きて授乳したり、赤ちゃんが寝ていてタイミングが合わないときは搾乳することも。
5:00 授乳
💭夜中2回目(早朝?)の授乳は、私が寝ていても起こしてもらって授乳するようにしていました。
この期間は長女が夏休み中で、早起きして送迎する必要がなかったので、この後もう一回寝て8時に本格起床し、また一日が始まる…といったルーティンです。
これに加えて、週1〜2回の頻度でナニーさんが近くのスーパーや、ウェットマーケットに買い出しに行ってくれることもありました。(初回は夫が付き添ったけど、2回目以降はナニーさんだけで行ってくれた)
産褥ナニーさんのメリット&デメリット
以上がざっくりとした産褥ナニーさんとの一日の流れです。総括としては「お願いして良かった!」に尽きるのですが、デメリットを感じないわけではなかったので、メリット・デメリットについても記しておきます。
メリット
睡眠がたっぷり取れた
上述のとおり夜間一回分は授乳を飛ばして、ナニーさんにミルクをあげてもらっていたので5〜6時間はまとめて眠ることができ、かなり身体が回復しました。
後半は胸が痛くて起きてしまうことも増えたけど、それでも授乳だけを済ましたら赤ちゃんをナニーさんにパスし、前後のオムツ替えやゲップ、ミルクを足す場合のミルク作りや哺乳瓶洗いは全部お願いできたので、本当に本当にありがたかったです。
おいしい料理が食べれる
これは我が家のナニーさんが料理好き&得意と自負していたのでラッキーだった説もあるのですが、作ってくれる料理がハズレなく毎回おいしくて食事の時間が毎日楽しみでした。
メニューも「The 産褥食」というわけでもなく、👆のようなパスタとか、肉料理とか、家族にとっても食べやすい料理だったのでとてもありがたかったです。私だけナニーさんの料理を食べて、家族はデリバリーというのも考えていたので、嬉しい誤算でした。
実際料理の腕はナニーさんによってばらつきがありそうで、エージェントから事前打ち合わせで「ナニーは育児のプロだけど、料理のプロではない」というのを念押しされていたので、この点は全てのナニーさんに当てはまるわけではないのかとしれません…
赤ちゃんのお世話について色々聞ける
出産レポでも書いたとおり、シンガポールでは出産後2泊3日であれよあれよのうちに退院日を迎えるため、授乳や沐浴の仕方もいまいちよくわからないうちに自宅育児がはじまります。そうした中、ナニーさんに手取り足取り教えてもらえるのは本当に心強かったです。
さらに期間中だけでなく、ナニーさんが帰ってしまってからも、育児の仕方について夫と話すときに「アンティ(※産褥ナニーさんのこと)はこうやっていた」が我が家の核となっているので、やり方が違って衝突することもなく、家庭の平和が保てています😂(妻のやり方を夫に押し付ける、みたいな構図にならない)
デメリット
・お金がかかる
やはり産褥ナニーさんを雇うにあたっての一番のハードルは「お金」ではないでしょうか。物価&人件費高騰のシンガポールにおいては年々ナニーさんのFeeも値上がっており、以前は$3,000台でお願いできたというところ、今回我が家のケースでは4週間の住み込みで$4,200(約42万円)ほどかかりました。高い!
ただ振り返ってみるとその価値はだいぶあったなというのが夫と私の総意です。(上述のとおり、期間中だけでなく産褥ナニーさんの影響はその後の育児にもプラスをもたらすこともあり)
またもともと我が家は普段から外食やデリバリーを頻繁に利用しておりエンゲル係数高めだったところ、この期間はほぼせずという点で差し引きできたというのもあります。
・人が家にいることの違和感は拭えない
もう一つのデメリットとしては、特に日本人にとってハードルになりがちな「他人との共同生活」に耐えられるか?という点。
私もこの点が大丈夫かな〜と直前までドキドキしていましたが、やはり一言では語れず(?)、産後のメンタルに応じて気持ちの変動が激しかったのが実情です👇
特に我が家の場合は、人と距離を置きたい上の子+いろいろ話しかけたいナニーさんの歯車が合わず、2週目くらいに入って上の子が体調不良(ストレス溜まったときによく出る症状)を起こしました。
※もちろんナニーさんが原因なだけではなく、そもそも赤ちゃんが生まれたという環境の変化もあったと考えられます。
また自分自身も、基本的に電気はつけっぱなしてほしいところこまめに消される、何かを捨てようとしたときに「まだ使えるよ!」と言われてモノが溜まっていく…といった細かいことが気になりだし、「もうナニーさんに帰ってもらおうかな😣」という感情がよぎったことも正直なところです。
ただその機会に、改めて上の子との関わり方についてナニーさんにきちんと話したり、私自身も「こんなこと指摘するのもな…」と思っていた細かい点についてもコミュニケーションを重ねるようにしました。
ナニーさんが初めて我が家に来た日、エージェントも同行の上20〜30分打ち合わせをしたのですが、その時にエージェントから「コミュニケーションが大事だからね!」と言われたことがよくわかりました。
そうしたコミュニケーションを重ねると次第にモヤモヤを感じることもなくなり、長女もナニーさんがいる生活に慣れ、逆に「帰ってしまった後、本当に自分たちだけでやっていけるのか…?」の境地に至るのでした。(一方で家族だけの生活が楽しみでもあった)
まとめ
以上、シンガポールでの産褥ナニーさんとの生活についてまとめました。
デメリットも含めていろいろと書きましたが、まとめると産褥ナニーさんはまさに我が家の救世主で、最終日のお見送りのときはいなくなることが本当に心細くなり、ハグしながら思わず泣いてしまうほどでした😢今でもその瞬間を思い出すと胸が痛い…
最終日前日の夜にはケーキを買って、ちょっとしたお祝いをしたのですがその時撮影した写真を今でも部屋に飾っていたり、たまに連絡も取っていたり、まさにシンガポール(マレーシア?)の母的存在 🙏 反抗期を乗り越えた母娘のイメージです(勝手にw😂)
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産褥ナニーさんは高いので、決して気軽に頼めるわけではないな、とは思うものの、それは経済的な意味合いだけで、シンガポールの風潮的には「産後はケアされて然るべき」といった空気感。
サポートを受けるのに引け目を感じることは全くなく、むしろ産褥ナニーさんだけでなく自宅での産褥マッサージなど、他にも産後ケアが充実しています。
日本でも自治体の産後ヘルパー制度や産後ケア施設、民間の産後ケアホテルなどについて耳にする機会は長女誕生時の9年前よりは増えてるような気がしますが(バチェロレッテの萌子さんも産後ケアホテルのインスタ投稿してましたよね👆)
これからもっともっと産後ケアを引け目を感じることなく気軽に受けられるような風潮になることを願って、記事の結びとします!
📌シンガポールでの不妊治療〜産前産後にまつわる記事はこちら
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