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ビッグイシュー日本版のこと|5月15日号 BABYMETAL/特集「コロナ補償とベーシック・インカム」

『ビッグイシュー日本版』383号が5月15日に発売となった。それから数日。いつもとはまた違う、独特なざわめきが起こっている今号。

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5月15日号の表紙とインタビューに登場してくださったのは、海外でも活躍中のBABYMETAL。多くのファンの方々(メイトのみなさん)が、発売初日からビッグイシュー販売者を探し、路上で本誌を手に取ってくださっているという。販売者さんたちは、「今号は初めて買ってくださる若い方が多いような気がする」「見つけたっ!という顔して、ニコニコしながら近づいてきてくれますねえ」と頬を緩める。路上での、メイトの方々との束の間の交流を販売者さんたちも楽しんでいるようだ。

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今回のインタビュー記事は英国北部で販売されている『THE BIG ISSUE NORTH』に掲載された内容を翻訳・編集したものだ。今、『THE BIG ISSUE』と名の付く雑誌は英国、オーストラリア、韓国、台湾など世界に7誌あるが、そのほかにも、名前は違えど趣旨を同じくしたストリートペーパーが世界35カ国、25言語でなんと100誌以上も販売されている。そして、それらが国際ネットワークを作り、記事や各国の情報、課題解決のアイデアなどを共有し、協力し合っている。

たとえば、「雨の日の販売者サポートはどうしている?」「どのように紙面編集をしている?」といったことから、「広告や寄付をどのように集めている?」「経営を安定させるための工夫は?」といったことまで、各国で実践されているアイデアが持ち寄られ、参考にし合う。今なら、このコロナ禍での販売や販売者支援などが重要なテーマだ(追って誌面でも紹介予定)。

ストリートペーパー各誌は協力関係にはあるものの資本関係はなく、すべて個々に独立した組織だ。運営や編集はそれぞれが独自の方針を持ちつつも、ホームレス状態の人や生活困窮者を支援するという目的であることと、定価の半分以上が販売者の収入となること、という点は全誌共通。なんて斬新で、なんて粋な理念を掲げる組織なんだと、初めて知った時には感動した。

そんなネットワークがあるおかげで海外記事が日本版に、日本版の記事が海外の誌面に……と、一誌一誌は小さいながらも、誌面には多様な文化圏の情報が並ぶ。ストリートペーパーだからこその”路上目線” ”下から目線”でとらえた社会はどのようなものか。そんな各国の記事をつねにチェックするのは、得意の英語を駆使する編集部のTさんとKさん。フリーランスの翻訳者さんたちと力を合わせ、掲載する記事を探し、選び、訳してくれている。

そんなネットワークのなかで実現した、今回のBABYMETALの記事掲載。英国でも人気絶大というBABYMETALは、『THE BIG ISSUE NORTH』の表紙をこれまでに2回も飾り、現地では同誌最大級の売り上げを記録したそうだ(今回の日本版でもそうなったらうれしいな…)。

※ 在庫は十分にありますので、ご用事で街へ出られた際にぜひ販売者からご購入ください。⇒販売場所(全国約100ヵ所)。委託販売取扱ショップやバックナンバー通販〈6月1日以降より3冊以上。送料無料〉もあります。

そして、今号の特集は「コロナ補償とベーシック・インカム」。コロナ禍で私たちの生活は大きな影響を受けている(もちろん、その前からも)。誰もが生きのびていくために、どんな施策が有効かを考える一つの材料として、事業者や労働者に大規模なコロナ補償を行なうドイツや、スペインのベーシック・インカム導入宣言などを紹介する。さらに波頭亮さん(ソシオエコノミスト・経営コンサルタント)にもご登場いただき、ベーシック・インカムの可能性を語っていただいた。

また、毎月15日号には、漫画「マムアンちゃん」の連載もある。タイの漫画家、ウィスット・ポンニミットさん(通称:タムくん)の描くマムアンちゃんのやさしくてあったかい4コマの世界観(好きすぎる)。連載153回目の今回も、心にじんわり沁みて肩の力がほどよく抜ける。じつは今号は、裏表紙もこんなに可愛いマムアンちゃん。デザイナーKさんがさわやかにデザインしてくれた。

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383号、表紙から裏表紙まで、お楽しみ頂けましたらうれしいです。



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